ちょっと前のわたしたち

【No.350】1月14日 SARA * 【No.351】1月21日 Norie

No.351

1月21日 Norie (バリャドリード)

 マドリード日本人会主催の第18回もちつき大会に行ってきた。 知り合いの日本人が少ないわたしたちには、インターネット以外で日本語で交流できる数少ない機会なので、バリャドリードから車で片道2時間半かけて、ここ数年毎年のように参加している。

 驚いたのは、開場1時間前からすでに30人くらい並んで待っていたこと。 ここはスペイン。 レベルは違うが息子の柔道教室なんて、6時40分から授業開始なのに、6時35分には先生も含めて誰一人来ていないのが普通なのだ。 遠方からなので時間に余裕を持って出かけたら、開場1時間前に到着してしまい、「門、開いてるかなぁ。 車、停めさせてもらえるかなぁ。」という一抹の不安は、紅白の垂れ幕とスーツ姿の係員の爽やかな笑顔によって吹き飛ばされた。

 「かーちゃん!あの人も、あの人も日本語しゃべってる!!」と、きらきらした笑顔で報告してくれた息子は、自分と似たような顔だと思うのかどうか、あっさり何人かの子どもと友達になって遊んでいるうちに開場時間。予定時刻に1分の狂いもなく、1時に開場。

 広い会場も1500人も入れば、熱気でくらくらする。 圧倒的にスペイン人が多い。 毎年来ている、日本食が大好きだ、と言っているグループもいた。 つきたておもち、お寿司、たこやき、焼き鳥など種類も豊富だし、なによりなんちゃってアジアレストランで食べる偽物感がない。(笑) もちつき実演、じゃんけん大会、二人羽織、獅子舞などのアトラクションも充実していて楽しめる。 お習字コーナーではきれいな色紙に自分の名前を漢字で書いてもらったり、好きな文章を書いてもらったり。 おりがみ教室、願いごとを書いて木に結びつけるコーナー。 指圧もあって、5ユーロでたっぷりマッサージしてもらった。 近くにあれば是非通いたいと思った。

 最後にもちつき大会のメーキングビデオを見て、ボランティアで大会を支えて下さった方々に感謝。挽肉の機械で、おもちも大根おろしもできるなんてビックリ。海外にいると「ないものは作る!」ようになるんだな。

 ちなみに福引きの懸賞にはロエベのバックもあったそうです。
うちが当たったのは、真空パックのお豆腐。大切に頂きます。

 来年は会場でお会いしましょう~。

 

No.350

1月14日 Sara (グラナダ)

【里帰り】
こんにちは。 明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
年が明ける、時がたつ、一年が過ぎてゆくというのは、切ないけれど、やはり、それなりに意味があるのだと思います。 辛いことを克服し、新しいことに取り組むためのきっかけの年初めと思い、がんばって2009年行ってみましょー! ねっ。

 さて、私は母の1周忌の11月に日本に帰るのは難しかったので、1月は日本に里帰りをしています。 今月はお世話になった叔父の1周忌もあるので一緒にお参りもしてきます。

 そして、この機会に以前のスタジオの代教(私はフラメンコの舞踊、教授活動もしています)等もしています。 生徒さんたちは、それぞれ能力も性格も異なるため、どうやったらもっと上手くなるかな、もっと伸びるかな、と考えながらのクラスは大変楽しいものがありますし、各自の踊りに対する悩みを聞くのも、自分が通ってきた道なので、なるべく早道をしてもらいたい、という思いで指導しています。

 今回、私にとって興味深い、初めてのワークショップのパターンが訪れます。 関西に住む、兄夫婦の紹介で、甥っ子の通う小学校でのフラメンコのワークショップを依頼されました。 私は、スペインで子供のクラスの代教は経験があります。 スペインでは歩けるようになれば4才、5才から、靴もスカートも持参で、大人も顔負けのやる気満々、踊る気満々で子供たちはクラスにやってきます。 なので、子供たちに「フラメンコとは何か」とか「フラメンコの楽しさ」を教えるという作業はやったことがないのです。

 ところが、今回はフラメンコのフの字も知らない、見たこともない、聞いたこともない子供達にフラメンコを見せて、ワークショップをするわけです。 最初はどーしたもんかな?と悩んだものの。 もう、これは「実験」と自分に言い聞かせ、 衣装も、子供が喜ぶかな?と思いそうななるべく、派手、というか華やかなもの。  カスタネットやアバニコ(扇)の小物を使ったり、マントン(大判の刺繍入りのショール)を振り回したたり、といろいろ賑やかにして、飽きないように手をかえ、品をかえで工夫してみようと思っています。

 そして、私にとって、一番の宝物は甥っ子の前で踊れることです。 甥っ子はいつも、あやこ叔母さんはフラメンコの踊り手なんだよーって話は聞いてても、私が踊ったところを見たことないので「ふーん」としかいいようがないですよねー。 おそらく、小、中学校は日本で過ごすことにした彼等だから、よっぽどのことがない限り、私の踊りは見てもらえる機会がないから、これはすごいチャンスだなと思いました。

 将来私もステージ活動で日本にも行くこともあるのかもしれないけれど、なんせ、人生というのは、明日何があるかわからない。 明日は踊れないかもしれない、ということも考えると、やっぱり今見ておいてもらいたいなと思うし、今はとくに感受性の強い時期だから、甥っ子もふくめて、やはり、小学生にフラメンコのワークショップというのは、大きな意味があることなのです。

 そのため、今回のワークショップは、本当だったら予算の関係から、1人で行って、話したり、リズム遊びをしたり、カスタネットを叩いたりといろいろして、実演の時にはフラメンコのCDをかけて踊らなければいけなかったはずでした。 しかし、フラメンコというのは、カラオケで踊るのは出来ないとは言わないが、難しいし、その前に、非常に悲しいものがあるのであります。 やはり、生のギター、歌があっての踊り、三位一体のものなのです。 少なくとも私にとっては。

 なので、私は、甥っ子へのクリスマスプレゼント、お年玉!のつもりで、自腹切って、友人の生ギター、生歌を引き連れての関西地方巡業に行ってくる予定です。 ギター、歌の友人は、2人とも昔から一緒に練習していた友人で、私の心を見透かして「ギャラはいらない」とかって言ってくれてます。(涙) 私はちゃんと支払う予定ですが、もう気持ちだけでありがたい、感謝の気持ちで一杯です。 こういう意味での三位一体の雰囲気が小学生に伝えられたらなおさら嬉しいな、と思います。

 さて、去年から実家がなくなり、ほんとうだったら、関西の兄の家に行く以外の東京滞在は親戚の家を転々としたり、ホテルをベースにするはずだった私ですが。 学生時代からの友人が手を差しのべてくれています。 フラメンコで活動したい私は、やはり東京に滞在することが大事です。

 何度か遠慮してみようとしてみましたが、彼女の言ってくれた言葉は信じられなかった。 「私の家、今現在は子供がいるわけじゃないし、病人がいるわけじゃないから、あやちゃんを迎えてあげられる環境だから、よかったらおいで。 あやちゃんはきっとホテル暮らしをしたりいろいろな家を転々としていても、最初の何年かはよくても、きっとだんだん、日本が遠くなってきちゃうよ。 だから、私が大丈夫って言ってるうちはおいでね」 “生きてて良かった”って思う瞬間といっても大袈裟ではないと思う。

 それ以外言葉で説明はできない。 どうしてもらったから、どうしたとか、損得全てを越えた関係というのがある。 年齢を重ねるにしたがって、学ぶことも多いけど、失うこともそれ以上にあるように感じ、切ない、だけど美しい人生。 人間はマシーンじゃないんだ。 人間の唯一良いところ «感じられること» を大事に生きていきたい。 あれ?今日見た、キアヌ・リーブスの映画“地球が静止する日"の影響を頭がうけてるかもー。(笑)(映画の台本はイマイチでしたがキアヌは相変わらずいい男でした 笑)。

 さて、最後に。 里帰り、そして、スペインに帰るときにもいつもつきものの «時差ぼけ»。 いったい、これはなんなんだー! 今回は辛かった! 若いとあまりないとか、地球の自転に逆らって飛行機が飛んだときはキツイとか、いろいろ説はあるみたいだけど、いったいどーしたらいいの!? なっちゃった時は!

 もう、ほとんど廃人二十面相! 夜はゾンビのように眠れず、昼間は起きれない! 日光を浴びるといいの?? 最初の日に寝ちゃいけないの? でも寝なくても次の日辛いぞー。 時差ボケがないひとはいったいどーなってるの? 私が異常なの?! こんど、ネットで検索してみようっと。

 あ。 もひとつ今回の日本での楽しみはいろいろあるが、今回トンコリライブというのを見に行く。 トンコリとは北海道の先住者であるアイヌの原始ギターの弾き語り、というものです。
楽しみ、楽しみ。
では、2009年! 各自目標見つけて 有言実行!無言実行!
がんがんいってみよー! ね!

 

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