ちょっと前のわたしたち

【No.312】11月6日 Norie * 【No.313】11月14日 かおる
【No.314】11月20日 Taka

No.314

11月20日 Taka (東京)

11月も下旬に入り、東京の都木『イチョウ』の紅葉も一気に進み始めた。
「なんか変な臭いがするな?」と思いつつ歩いていくと、足元に転がっている銀杏の実を見て「なんだ、銀杏か!」と、思う。 なんだ、銀杏かと思いつつ、帰るときにまだ転がっていたら拾って帰ろう、なんてワクワクもし。 でも、帰る頃にはすーっかり忘れているのだけど、でも、こうやっていちいち季節を感じられる、そういう風情、そういう風景があるのはいいですね、日本。

 ちょっと前までは金木犀の香りがどこからともなくして、ワクワクした。 瞬時に、子供の頃の通学路を思い出し、どこか懐かしい気持ちになる。 季節の移ろいをちょっとしたワクワク感で知り、日が短くなった夕方の住宅街からは、秋や冬を感じる。「あ、この家の晩御飯はシチューだ」とか、「ここはカレーだな」「ここはおそらく鍋ではないか?」など。 嗅覚は勝手にアンテナを張り巡らし、遠い昔の記憶と摺り合わせては懐かしい記憶を呼び寄せてくれる。

 いま東京での日没は4時半過ぎだろうか。5時ともなるともう真っ暗になる。

 先日、久しぶりに休みが丸1日あったので東京・広尾にある有栖川記念公園に行った。 そこで、バトミントンやらフリスビーでさんざん体を動かし、そして、遅めのお昼ご飯に、すぐ近くのアメリカ系スーパーマーケットの駐車場で、毎日曜だけ出店している、某老舗スペインレストランのPollo asado(ポジョ・アサード/鶏の丸焼き)を1羽分買って、仲間と2人でビールを飲みながら食べた。 私にとっては何にも代えがたい至福の時である。

 いつもは2人でも1/2羽分しか買わず、そしていつもいつも、「一度でいいから1羽分、丸かじりしたい!」というのが私のささやかな夢でもある。 まぁ、そのときだって、結局は2人でいただいたので1羽というわけではなかったけれど、でも、美味しかった。 何かを食べながら、美味しい美味しいと感激できるものが、歳を重ねてくると減ってくるように思うこのごろ。 これを食べるときにはいつだって、「美味しい」と「旨い」を連呼する。

 東京で食べるポジョ・アサードは、私のなかではここが一番だと思っている。 移動販売用の車で売られているので、テーブルも何もなく、全てがテイクアウト用となるわけだが、いつか、一人で1羽。いや、一人で食べると淋しいので、仲間を集めて、全員が1羽ずつというパーティでもしてみたい。

 前に、バルセロナの友達が、「スペインでは土曜日の昼ご飯はどの家も毎週、ポジョ・アサードを食べるんだよ」と言っていた。 そして、かの有名なパエリアについては、日曜の昼ご飯なのだと。 でも、私は、そんな話をアンダルシアで聞いたこともない。 でも、羨ましかった。

 そうそう。遅い昼食を済ませ、再び体を動かした後で、帰途につくと、あたりがすっかりと暗くなっていた。 でも、西の空を見上げると、夕陽こそ見えなかったが、その余韻が残る空に、昼の名残が残っていた。 そして、すっかり、もう7時か8時が近いものだろうと思い、休みが終わるという思いになっていたときに思わぬ勘違いのプレゼント。

 「え? まだ5時過ぎじゃん!」
「まじー? 嘘だね!?」

 そう。 体感的にというか、「暗い=夜」という感覚的にはすっかり夜になっていたのに、時計の針はまだ夕方の5時を回ったところで、2-3時間は感覚的に徳をしたことになった。 嬉しさ余って、当初の予定ではなかったが、銭湯に行き、たっぷり2時間ほど、湯やサウナに入った。

 でも、このことがあって、私がいかに、普段インドアな生活をし、太陽の落ちていく姿にも関心を示していないかということがわかった。 自分では、いつも、朝日を拝むのも夕陽を拝むのも大好きなんだと言いつつ。

 日本も、スペインも(おそらく)、寒くなってきました。
皆さん、体には気をつけて、ね。そして無理をせずに。
そして、温かく、温かく、過ごしてください。

 

No.313

11月14日 かおる (マドリード)

11月になると朝晩はぐっと冷え込んでくる、はずなのだけれど今年はなんだか季節の変わり目もはっきりしない秋の訪れ。 それでも秋は確実に深まっている。

 実は、9月の末から10月頭にかけてちょっとした入院をした。 入院前はほとんどノースリーブかTシャツといった完全な夏服で普段着は間に合っていたから、タンスに入っている服たちの中には長袖なんてほとんどなかった。

 ところが、10日ほどして完全冷暖房完備状態から出てくると・・・寒い。 たった10日ほどだったのに。 速攻で秋物を出さなければ外に着ていく服もない。 あわてて秋冬ものの箱をひっくり返し、とりあえず当面の普段着を引っ張り出す。

 そして、ちょっとした長袖でごまかし、ごまかし過ごしていた数週間が経つと、やはり本格的に冬の服を出さなくてはいけない季節に気が付く。 ちょっと遅いかもしれないが、ちょうど先日あわてて夏物をしまいこみ、本格的に秋冬物を出したところだ。

 そういえば、去年は11月に雪もちらついたことがあったような。 それと比べると、今年はまだ暖かいのかもしれない。

 日本だと今頃は、ちょうど紅葉の季節で、紅葉の進み具合で例年より何日遅めだとか、早めだとかというニュースがあるのだけれど。 残念ながらスペインでは日本ほどこの自然のスペクタクルを愛でる習慣があまりないので、紅葉の遅れがニュースになることはまず、ない。

 日本ほどの美しい紅葉はなくても、スペインにも一応四季はあるので、紅葉もある。 紅葉といっても、赤いものは少なくて、見かける多くのものはポプラの黄色い紅葉。 スペインにはポプラの植林が行われているところがたくさんあって、郊外の村に出かけると、街外れなどにポプラ並木をよく見かけることができる。

 整然と並んで植わっているポプラの黄色い林の風景が私にとってはとても好きな秋の風物詩の一つ。 真っ直ぐでほっそりしたポプラが黄色い葉を太陽の光を反射して、その下には薄茶の枯葉が一面を覆っている。 日本のしっとりした紅葉とは違って、明るいイメージの紅葉風景だけれど、これはこれで美しい。

 毎年のように叫ばれるようになった異常気象はスペインにも影響していて、普段水の豊かな北部が異常な水不足に悩まされている。 昨日も川が干上がり川魚が大量に死んでいるという心苦しいニュースが流れていた。 美しい風景を見るたびに、こんな風景を何年も先にも見続けることができるよう、願わずにはいられない。

 

 

No.312

11月6日 Norie (バリャドリード)

今年もなんだかんだしているうちに、もう11月。
今朝は息子を学校に送っていく道が霧で真っ白だった。 いよいよ冬だ。

 ところで、息子の学校は家から歩いて5分くらいのところにある。
村の中でも新興住宅地にあたる地域にあって、一学年一クラスだけの小さい新しい学校だ。 生徒はみんな近所から通っているので、学年が違う子もみんな顔見知りで、近くの公園で一緒に遊ぶことも多い。 お天気の間は、学校が終わると、そのまま一緒にいつもの公園までわいわい歩いて行って、親はテラスで一杯飲みながらおしゃべり、子どもはパンをかじりながら鬼ごっこやかくれんぼをして、しばらく楽しんでから家に帰るのが習慣だった。

 しかし冬になると、誰しも家路を急ぐ。
だって外は寒いもの。 風邪を引いたら大変大変。

 夕方、暗くなる前にちょっと寄ってみようかと出かけてみても人っ子一人いない寂しい公園。 スペインというのはとてもわかりやすくて土曜日の午前中はみんな寝ていて誰も歩いてないし、日曜日の昼間は親戚一同がじいちゃんばあちゃんのところにご飯を食べにくるから、村の道路は車で混む。夏の夜は、子どもを長めにお昼寝させて、家族そろっていつまでもお外で遊ぶ。 12時? いやいや、後もう少し。

 そして冬。
子育ても一段落したくらいの男性チームは、雨が降ろうと雪が降ろうといつものバールで一杯飲んでいたりして、凍えるほど寒い日もバールの中は混んでいたりするのだけれど、さすがに子どもの姿は減る。 公園なんてからっぽだ。

 我が家のちびくん、お絵かきや工作、パソコン使いは「あんたいったい何歳だ?」という才能を見せ、放っておけば毎日だって家の中だけで一人でも遊び続けるのだが、親としては少しでも誰かと外で遊ばせたい。
しかし、誰かを引っ張り出して外で遊ぶわけにもいかないので、公共プールを見学してみた。

 バリャドリードには7つの温水プールがあり、利用料金は一回あたり大人3.8ユーロ、4才以上の子ども2.5ユーロ。5回券だと、大人18ユーロ、子ども11.8ユーロ。 10回券、20回券、30回券と増えるごとに一回あたりの利用料金は下がる仕組み。 一回あたりの利用時間は無制限。利用回数無制限の登録制度もある。 中にはバールもあるらしい。

 実はうちの村にも温水プールが建設中。 当初のオープン予定は2007年「春」。
そう、ここもスペイン時間で動いているわけです。 というわけで、今年の冬はプール通いでもしてみようかなぁと思っている。 お天気と同じでなんだか気分もぱっとしないけど、家にこもっていても仕方がないし、さぁお出かけお出かけ。

 

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