今日はフラメンコの話題。
バールをたたんだおかげで自分の時間が増えて、フラメンコのクラスや自主練や、教授活動にも復活しだしました。 丁度1月から復活したクラスから、なんと、憧れのバタ・デ・コーラの振り付けが始まりました! 嬉しい!
これは何物かと申しますと、ひらひらのフラメンコのスカートの後ろの部分がさらにひだひだ、どぴゃーっと1メートルか1メートル半くらい長くなっていて床に引きずっている、重さもたっぷりあるスカートのことです。 これを踏まないように上手くひきずって踊ったり、回転したり、蹴り上げたりしながら踊るので、普通のフラメンコの舞踊技術とはちょっとちがったものが必要です。
フラメンコ舞踊の伝統的なものとも言えるかもしれません。 このバタを使って有名な踊り手には、ミラグロス・メンヒバル、とか、マティルデ・コラルとかがいます。 日本でもビデオとかで見れるので興味ある方は是非!
どうして憧れてたのに、10年以上も習わなかったんだ? そう、言い訳は、憧れすぎたために、私には絶対出来るわけ無い、と思ってしまったのです。 それに、その有名なお二人にはセビージャまで行けば習う機会はあったのだと思いますが、基礎くらい固めていかないと、と思ってました。 怒られるのが怖かったんですねー。
で。 その基礎をどこでやったらよいのかわからなかった。 そこいらじゅうでバタのクラスってやっているわけではないのです。 逆に言うと、クラスを探す方が大変、と思います。
しかし、再びよく考えてみれば。 私の今の先生、マリキージャもバタはかなり上手いのだった!と思い、うーん、チャンスがあればと去年考えていたものでした。 舞台で踊るとまではいかずとも、舞踊知識として身につけたいと思ったし、失われつつある伝統を守る意味でもいいかな、と考えが変わったものでした。
そうしたら、なんと。 先ほど書いたように、復活した1月からのクラスで丁度バタのクラスが始まったのです! 私ってなんてついてるんだ!と思いました。
これは神様が私にバタを踊れと言っている!(調子いい)
いや、でも、ほんと。 マリキージャの学校でもバタのクラスはここ10年で2〜3回だったと思います。 しかも、それは、夏の特別クラスで5日間とかっていう感じでです。 普通のクラスでやる、ということは、曲の振り付けが3〜4ヶ月かかるので、30時間以上はじっくりバタの振り付けを習えるということです。 きっと今年のクラス編成が比較的少人数でプロを目指す子たちが多いからかもしれません。 経済的に見ても、練習用スカートでも300ユーロはするものを買えるというのはスペインでは、親が相当期待かけてる証拠です。
クラス仲間で10歳、12歳の少女達がバタをもうさばいて踊る中、最初は先生の貸してくれたバタで私がほんとうに、四苦八苦してました。 ちょっと棒立ちになってしまったとき、先生が気が付いて「今日は、バタが初めての人がいるから、ちょっと体を温める意味でもテクニカをやりましょう」といってくれました。
そして、私に「体がある程度できてるからきっとできるから信じてやってみて」といってくれました。 ああ。 またこの人は支えてくれる。 左側の体が右側よりずいぶん不器用で思ったように動かないが、右側は何回か綺麗にバタが舞った。 それは、ビデオで何回も見た憧れのバタの動きと似ている! もうこの瞬間、私ははまってしまった。 知識程度なんて思っていたが、もう夢中になってしまった。 こんな素敵な瞬間がまだフラメンコにはあったのか!
バタのことで踊り友達に相談電話をしたことがあった。 真新しいことをやるより、マントンを使った踊りをちゃんと踊りあげていくほうがいいのではないか、ということを相談したら「バタというのは、ものにしてしまえば、マントン等の小物を使った踊りより踊りやすいよ」と言っていたのを思い出した。 そのときは、実際やったことないので、想像もつかなかったが、うーん、なるほどと思った。 自分の足、しっぽ、とか、体の一部として扱ってしまえばいいのね。 と、まあ、理屈はともかく、練習、練習。。。と。 私の東京のフラメンコの先生にもうれしくてメールした。 バタを始めました!と。 そうしたら、返事に笑ってしまった。 「バタはやるとはまるかもよ。 がんばって」 ハハハ(笑)。 もうはまってます。
実はもう目標は決めていて、このバタで舞台で踊ってみようと思ってる。 たぶん私の舞踊スタイルにもあってるし、もっとこの伝統をみんなにも見て欲しい。 私のフラメンコ仲間の間でも、敷居が高いイメージがあるみたいだし、クラスも少ない。 もっと私が踊ることによってそのイメージが変わって、ああ、私もやってみよう、とかってなったりするとうれしいな。 ああ、私がやっても大丈夫、だと困るんだけどね。 ミラグロスさんや、マティルデさんの舞踊のラインとはたぶん違うラインでいくと思うけど、バタの美しい芸術性は出てくれないとやる意味はないですからね。 では、次回の舞台にご期待!