ちょっと前のわたしたち

【No.345】11月12日 Norie * 【No.346】11月20日 Taka

No.346

11月20日 Taka (東京)

日、那須塩原へ行ってきました。 宿の露天風呂でくつろぎ、旬の味覚を堪能しながら地元のお酒を飲み、テニスで汗を流し、翌日は鬼怒川ライン下りなんぞも参加して紅葉を堪能。 これぞ由緒正しい秋の過ごし方!

 と、気分転換もしっかりできたところで、また1週間、頑張るぞー! と過ごしていたら、外から消防車のサイレンがけたたましくなっているのが聞こえてきた。 開けていた窓をしめながら、火事も多くなる季節だから気をつけなきゃなぁ、なんて、のんきに考えていたところ……。

 玄関の扉がドドドドドンッ! 誰かにノックされ驚いた。 瞬時に、うちのマンションが火事? と察し、玄関の扉をあけると、数名の消防士がマンションの階段にホースを持ち込むところだった。 「通報者はあなたですか? 火元はどこですか?」と。 最初は何がなんだか事態が把握できず、ウチじゃないと伝えながらもマンション前の通りを見下ろした。 下には15台以上の消防車であたりが真っ赤に染まったかと思うほどだった。

 結論から先に言うと、火事というのは通報者の“勘違い“ということだった。 「全部、確認しましたからもう大丈夫です」という消防士からの報告を受け、私は震えが止まらなくなった。 やばい……。

 この数日、ご近所さんのことで私は悩んでいた。 実は、近所に住んでいる若い女性が最近、何度か訪ねてきたのだ。 理由は、私の部屋に彼女の知人が隠れているという。 隠さないでどこにいるのか教えてくれと探し回る。

 あるときは、私が彼女の悪口を言っていると叫び……。 そしてあるときは、それまでは面識のなかった私のことを“友達”と親には話しているとのことだった。 彼女の親が、一連の行動で私に迷惑をかけたと謝罪しにきたとき、私は、一刻もはやく専門家に診てもらうように進め、病院も紹介した。

 消防車騒動があったのはその翌々日のことだった。

 何の確証もないのに、通報者が彼女かもしれないとは言ってはいけない。 でも、そのとき私の震えは止まらなかった。被害妄想や幻聴があるならば、確実に病は進行している。

 その夜、彼女の親が再び謝罪しにやってきた。 警察官や消防士が家にきて、火災の通報をしたのが娘だと告げられたそうだ。 ほんの数週間前まではごく普通に社会生活を送っていた娘が、突然、変貌しおかしな言動を始めたら、それはそれはショックなことだろう。 親も憔悴しきっていた。 何が起こっても、病気の娘さんが悪いわけではない。 ただ助けが必要なのだ。 キチンとした治療と、周囲の理解が必要なのだ。 泣いている時間はないですよ、と親に言わせてもらった。 そして、明日には絶対に病院施設へ連れて行くことを約束した。 娘さんのためでもある。

 こんな一連の騒動があり、私もちょっと疲れた。 彼女にも彼女のご両親にも頑張ってのりこえてほしい。 こんなストレス社会でも、極力、ストレスはためない生活を心がけて、健康管理はしっかりとやんなくちゃなと改めて思う今日この頃でした!

 

No.345

11月12日 Norie (バリャドリード)

ペイン滞在もずいぶん長くなってきた。
そのうち、日本で育った年数より長い時間をここで過ごすことになるのだろうか。 ひょんなことから住み始めたこの村ももう8年め。 ここ数年で移民が急激に増えたから、村の人みんなが顔見知りってなことはないものの、アジア人としてよりも、個人として認識されているせいか、謂われのない東洋人差別を受けることもなく、のほほんと暮らしている。

 家の玄関を出て最初の角を曲がって約10メートルのところにある肉屋さんは激ウマで、しかも日本風な豚肉の薄切りまで応じてくれる親切さ。 余所の店では、下手をするとハムみたいな味になっていることも多いアドバドと呼ばれる、豚肉をパプリカなどのスパイスに漬け込んだものも塩味、スパイスが絶妙で、しかも元の豚肉がジューシーときてるもんだから、 フライパンでじゅっじゅっと焼くだけで、それはそれは美味しいのだ。 ソーセージやモルシージャ(豚の血のソーセージ)は隣の部屋で作っているのが覗ける、本当の自家製だし、パンセタ(豚バラ)はガスではなく、薪で豚の毛を焼いている。生ハムもイベリコではないのに、十分美味しい。

 さて、村の八百屋と魚屋はいまひとつ満足できないので、週に一回くらい街中のメルカド(中央市場)に買い出ししていたのだが、息子の学校の近くで、玄関先にやたらと美味しそうな野菜が並んでいるのを発見! 自分の畑でできたものを玄関先で売るのは、村ではよくあることなのだが、そこの玄関先にはめずらしく卵があったのだ。 思い切ってチャイムを鳴らし、サニーレタスとトマトと卵を買って帰って食べてびっくり。 レタスは柔らかくてうそのように甘いし、トマトもこれがお日様の味!? と表現したくなるくらい。 そのへんを走り回っている鶏だから美味しいよ、と言われたとおり、卵は小ぶりながらもしっかりしていて、まさにおはしで黄身をつまめる新鮮さ。 卵かけご飯にして食べても大丈夫!!

 それで週に何度かそこで野菜を仕入れていたのだが、ある日を境にレタスが急に不味くなった。 次の週にはレタスとトマトが姿を消していた。 夏の終わり。 その代わりに今はほうれん草が旬。 サラダで食べられるくらい若くて小さい葉っぱは肉厚でこれまた甘みがある。 ニンニクとオリーブオイルと塩だけで、どんぶり一杯軽くいける。(笑) その日の朝、畑から収穫してきたもの、しかも本人たちが食べるために作っているもの、というのはやっぱり格段に美味しいのだ。

 近所の人からもらったカリンを蜂蜜につけて、風邪対策も万全!

 毎日毎日ぜーんぶお料理しなくちゃいけなくて、日本のファミレスがなつかしくなることもあるけれど。 ま、美味しいものは食べてるかも、と自画自賛。

 

ちょっと前のわたしたち

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