“今年のSemana Santa”(セマナ・サンタ 聖週間)
“今年は何をする人ぞ”
やっとコートを脱いで、街にはテラス(机・椅子)が並び、
外でのビールが美味しい季節になると、毎年やってくる、
ちょっとした連休、セマナ・サンタ。連休だし、わいわい過ごしたい。
家族の居るグラナダにも行きたい。バリャドリード(トゥデラ・デ・ドゥエロ)
の友人宅を訪ねて、羊とワインとプロセシオン(各教会から出される山車の行進)
に興じたい。パラグライダーの仲間と飛びに行くのもいい。
皆の日程を聞きあったりして大騒ぎの末、今年は、北西、バリャドリードに進路を
とった。
“週末の3本立て。羊とワインとプロセシオン”
先ずは、メイン目的の羊料理。以前から、友人がお薦めのレストラン。
普段なら2時間ちょっとの距離が、渋滞のため、倍の時間が掛かった。
休日なのに、朝、7時半には起きた。辛かった。
羊への道は、私にとっては険しかったぁ。
体調は抜群。朝、適度に物を食べて、胃を起こし、昨夜も一滴の
お酒も飲んでない。顔見知りの友人も何人か集まり、もう食べる前から
楽しい。美味しい物は、皆で美味しい、美味しいって食べると、3倍くらい
美味しくなる。
メニューがあるのか無いのか知らないけれど、必要もなかった。
羊・Vino(ワイン)・野菜。の3つ。
さて、羊の肉は、勿論、子羊。ちいさ〜い、やわらか〜い。
肉は一口サイズに切られ、それが、鉄の串に刺さっていて、一本、一本
小枝の薪であぶるように焼かれて出てくる。ナイフもフォークも要らない。
パクッ、コリコリっ、ジューシ〜〜〜!(コリコリは軟骨)
ワインはその肉の味を更に引き立てる。
一見、普通のサラダは、食べてから唸ってしまった。
気が利いてるサラダなのだ。味付け、切り方、鮮度。う〜ん。
そして、普通は、一人一本食べるのはきついかなという串を、
私達7人で、8本食べ、お店の人も渋めに喜んでいた。
グラナダのシエラ・ネバダでも、羊、羊とよく食べた私は、
また違う羊の味を味わってしまった。ここが優勢な理由は、
ここのVinoが、肉によく合うことと、サラダが勝敗の鍵を握った。
“プロセシオン”
木曜の夜と、金曜の夜、両日プロセシオンを見に出かけた。
木曜はメディナ・デ・リオセコという村に。金曜は、バリャドリードに。
2日とも大いに楽しんだ。木曜は、友人達の友達とも合流し、
15人とか17人とかっていう人数で出かけた。
結果。その村のプロセシオンの進みは、とても遅いことや、
スペイン人がそれだけ揃って、じっと行進を待つわけもない。
行進を追っては行くのだが、すーっとバールに入ってしまう。
次へ…。何軒はしごしたんだろう。次の日は二日酔いで目が覚める。
金曜は、昼間体調を整えなおし、バリャドリードの中心、テレビ中継もやってる
市庁舎前広場、マヨール広場に出陣。
夜7時半から、11時過ぎまで、31の山車が私達の前を行進していった。
先頭は、騎馬隊。
金曜は、キリストが、十字架に張付けになり、死んでゆく行く日。
ここのは、山車を上手く並べて、順番にそれを見せてくれた。
十字架を背負う役の人には、裸足の人も多かった。バンドもよく練習している
らしく、揃っている。子供達も沢山参加している。
しかし、ここは寒い。ほんとに寒い。真冬の格好と同じにしなくてはだめだった。
ふと見ると、行進の中の子供が泣きながら行進している。
5〜6歳か。寒いんだろう、眠いんだろう、この歳で、3時間の行進はきつい。
でも、逃げ出す様子も無く、泣きながら歩き続けていった。
一つ、一つの、山車の彫刻もなかなか素晴らしい。
グラナダ、セビージャ、マドリード、そして、今回、更に2個所のプロセシオンを見た。
全地方、全教会、違うものを見せてくれた。
張付けの場面の山車の一つには印象に残るタイトルが。
“Dios mi'o,Dios mi'o,Por que' me has abandonado,”
(神よ、神よ、どうして私を見放したのですか)
見ごたえのあるプロセシオンだった。
“ビックなおまけ”
今年は更におまけ付きだった。おまけと言うにはビックすぎる。
レアル・マドリード対 ビジャレアル戦を土曜日に観戦。
サッカーの報道関係の仕事に関わる友人のちょっとした通訳を兼ねて
行けることになった。住んで6年、でも、なぜか憧れのサンティアゴ・ベルナベウに
行く機会を逃していた。サッカー観戦は2回目。
いちおう、マドリードのチームびいきだけれど、サッカーには異様に疎い。
プレス席なので、静かに見ていた。
しかし、ド素人の私でも、レアル・マドリードの選手の動きの速さには驚いた。
そして、実際、テレビで見るより、スピード感が全然違うのだ。
ロベルト・カルロスなんて、もう、人間の限界超えてる動きだ。
試合はご機嫌な結果だった。4−0で、レアルの勝ち。
そのうちの、グティのボレー(って言うと、友人が教えてくれた)で決めたゴールと
ロベカルのフリーキックでのゴールは、美しかった〜。
これが生で見れたのは、一生の思い出というくらい綺麗なゴールだった。
更なるおまけは、友人が仲良くしているラジオの実況中継のマリアノおじさんと、
ホセおじさんが、後半の時にラジオ中継している所に通してくれた。
そう、あの巻き舌の“ゴ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ルルルルル〜〜ッ!!!”
も生で何回も聞いてしまった。凄かったぁ。
そして、3回くらい生放送中に話題をふってきて、私達はラジオも初出演となった。
私がサッカー事情に疎いのは言ってあったので、漫才みたいなものだった。
マリアノ「いや〜、ビジャレアルのユニフォームは、黄色い、黄色い!君達の関係者じゃないの〜?応援しなくていいの〜?」
関係、ない、ないって。
マリアノ「おっと〜。選手交代。今出て行った選手は誰だったか見えた?」(おじさん、目が悪いらしい)
う〜〜〜ん。見ていなかった。……こんな放送がありなんだぁ。
今年のセマナ・サンタ。北西に進路をとった事は吉と出た。
一緒に過ごした友人達全てに、ありがとうっ!
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