6.教案・教材準備

 ペインで日本文化を紹介する!
……と口で言うのはいたって簡単でなんだかカッコイイのだが、実際はそんなに簡単なものではない。インターンシップには決められたカリキュラムは存在しない。もちろん研修校の希望や学校方針は考慮しなければならないが、基本的に日本紹介の授業の内容、題材、進め方は全てインターン各自の考えに任されている。よって授業に使う教材は、インターンが各自の教案に応じて必要なものを自分で準備しなければならない。

何を教えるか。
どうやって教えるか。
それには何が必要か。
どのように手に入れるか。
何を日本から持っていくか。
何を現地調達できるのか。

 考試験合格から出発までの期間、個人差はあるものの殆どのインターンがこのように悩みながら教案・教材準備を進めていくことになる。

 語圏へのインターンは、非英語圏よりもずっと教案作りや教材準備がラクだ。
なぜかというと、
1. IIPから提供される教材(日本文化の本、日本語の教え方ビデオ)が英語であり、IIP主催のカルチャー講座(有料)や発行物も殆どが英語圏向け。
2. インターン派遣前例が多いのでOB/OGからの情報が多く、教材も譲ってもらいやすい。
3. 日本について英語で書かれている各種の本が、その辺の本屋でたくさん手に入る。
4. 英語はとりあえず学生時代に一通り習っているし、日常生活で日本語同様に使われている英語も多い。

 れに比べてスペインのような非英語圏の場合は準備が大変である。
1. IIPの教材や講座の内容は自分で英語からスペイン語に翻訳しなければならない。
2. インターン派遣前例が少ないので情報も非常に少なく、教材を譲ってもらうことも難しい。
3. 日本についてスペイン語で書かれている本が少なく、日本では手に入れにくい。
4. 個人のスペイン語力にもよるが、一般的に見て英語よりも語彙の点では苦労することが多い。(私だけか?)

 英語圏への派遣前例がまだ少ないので仕方がないとはいえ、IIPの運営の殆どは英語圏を中心に行われているので、「スペインで日本文化を紹介するため」の準備は、殆どIIPの資料に頼ることはできないと考えた方がいいだろう。
 ただ、「日本文化を紹介する」っていうけど、日本文化っていったい何?
まずはこれが最初の壁だ。

 本らしいもの・・・そう考えると当然誰でも考えるのが「○道」と名の付くような伝統的な文化。茶道、華道、書道、武道、着付けなどなど・・・そんなの、全日本人が知ってるわけない。実際私だってお茶もお花も日本舞踊も習ったことない。(書道くらいならできるけどさ!)
 それに、伝統文化だけが日本?日本人がみな毎日着物着て、抹茶飲んで、寿司食べて、空手やってる?そんなわけがない。ラッシュの電車で通勤するサラリーマンも、マクドナルドでハンバーガーをかじる若者も、夜遅くまで塾に通う小学生も、高層マンションも、やたら英語混じりの流行歌も、すべて日本の日常の姿。
 特別なものでなくていい。身近なところに日本紹介の材料は転がっている。日本人にとってはごく当たり前のものが、意外と日本独特のものだったりする。
 逆の立場になって考えてみればいい。
 自分が外国人だったら、日本のどういうものをめずらしいと思うか?
 自分が外国に行ったとき、その国のどういうものをめずらしいと思うか?
あとは各自のアイデア次第である。

 では、実際に私がどのような教材を集め、どのような授業を行ったかを紹介しよう。

目 次
インターンシップでのスペイン滞在
1. なぜインターンシップ?
2. インターンシップの概要
3. 語学留学との違いは?
4. 気になる費用は? (費用概算
5. 出発までの歩み
6. 教案・教材準備 (教材集め
7. 実際の授業例


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