Carmenのスペイン語こぼれ話
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6. スペイン語の映画 |
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更新をさぼっているうちに今世紀もあと残すところ半月になった。こういうのは毎月同じ時 期に原稿を提出することを自らに義務づけないと、つい忙しさを理由にさぼってしまう。語学 の勉強と同じだ。来年はなんとか一定のペースを守って書かねば。 私は日本のさる地方都市に住んでいる。スペイン語圏の映画などしょっちゅう上映されるわ けではないので、映画情報をキャッチするとなるべく時間をつくって映画館に足を運ぶように している。もともと映画好きなわけではなく、スペイン語の映画が好きなのだ。だから、セリ フがスペイン語ではない映画は基本的にはお呼びでない。今年早々に上映された「ロルカ 暗 殺の丘」も英語版だったのにはがっかり。でも、ロルカ役のアンディ・ガルシアがかっこよか ったので許す。(なんのこっちゃ) 本当の映画好きはストーリーを愉しみ、味わい、批評する。そんな人たちがパンフレットに 寄せる文章を読んで私は思わず膝を打つ。そうか、あのシーンはそういう裏の意味があったの か、と。スペイン語が聞きたいから映画を見に行くという私の映画鑑賞法なんてそれに比べる とまったくもって邪道だ。セリフのスペイン語にふと気を取られることも少なくないからね。 なんで今の単語は女性形だったのだろう、とか、さっきの主人公のセリフは以前調べたテーマ にうってつけの用例だ、とかね。もちろん、ストーリーもそれなりに追っかけているけどね。 スペイン語の人称代名詞 tu' とusted の使い分けも映画を見ていてつい気になる事柄だ。この 二種類の代名詞の使い分けの問題はかなり奥が深い。考えてみれば、私たちはスペイン語より も相手の呼び方がたくさんある日本語を日頃あやつっているのだから、二種類の代名詞くらい 本来簡単に扱えるはずなのだ。でも、ことばの問題ってやはりそんなに単純ではない。映画を 見て研究しているけど、まだ使い分ける自信があるとは言い切れないなぁ。 日本に住んでいる私にとってスペイン語の映画はありがたい語学教材である。以前は日本で 発売されるスペイン語の映画のビデオがべらぼうに高価で、その数も限られていたのに対して、 この頃はずいぶん値段が下がってきて私のコレクションも少しずつ増えてきた。 私はスペインのPALビデオを再生できるデッキを持っているので、スペインに行くたびに ビデオソフトを買いこむ。(注:スペインと日本ではビデオの形式が違うので、スペインで 買ったビデオソフトは日本で通常売られているビデオデッキで画像を再生できない)スペイ ンで話題になった作品も一年後にはその多くがビデオ化されるのはありがたい。 それだけではない。映画のシナリオの中には出版されているものもあるのだ。おお、これこ そ映画鑑賞中、ストーリーを忘れ、スペイン語のセリフに気を取られてしまう私のような人間 のためにある本ではないか。こういうシナリオは映画を見たあと、読み直して自分のストーリ ー理解度を確かめるのにも役立つ。ビデオを見てさらに再確認という手もあるね。(ああ、ま すます映画鑑賞の邪道を邁進しているなぁ... ^^;;;) アルモドバル監督の「ライブ・フレッシュ」(原題:Carne tre'mula)の登場人物が出産する シーンで、「いきんで、いきんで」という意味でかけられた言葉がこの @Spain のメーリング リストで話題になったことがある。シナリオで確認したら、確かに聞こえた通り、!puja! !puja! !puja! というセリフだった。Puja とは何だぁ、とさらに調べたのは言うまでもない。 フェルナンド・レオン監督の「バリオ」(原題:Barrio)もシナリオが出版されている。ぱ らぱらとページをめくってみたが想像通り主人公の少年たちのセリフは俗語に満ちていた。 どうりでお上品な私にはわからなかったはずだわ。あとでゆっくり勉強しようっと。 Carmen |
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