Carmenのスペイン語こぼれ話
    
2. 辞書の話      

  スペイン語のアルファベットは27文字だ。 英語と同じ26文字+Nの上にひげのついた文字。 実に覚えやすい。 私がスペイン語を勉強し始めた頃にはCの次にCh、Lの次にLlというアルファベットが存在したが、1994年、言語アカデミアの取り決めにより、ChやLlを一つのアルファベットとして扱わないことになった。 それ以降に出版されたスペイン語のテキストはすべてこの取り決めに従って、27文字のアルファベットを掲載している。 しかし、既刊の書籍、とりわけ辞書に関しては見出し語の大幅な組み替えが必要であるし、新版を出すとなると語彙の見直しもしないわけにはいかないだろう。 テキストとは違ってそう簡単に改訂版が出せるものではない。

  現在、日本で発売されている西和辞典には、いわゆる大辞典がまだ存在せず、中辞典クラスが3種類(小学館、白水社、研究社の辞書)あるのだが、いずれも初版は1994年以前に世に出た。 そして、2000年5月現在、新アルファベット配列という改訂版の辞書を出しているのは白水社のみ。 ということで、今もなお Ch や Ll のことについて一応の説明をしておかないと、小学館や研究社の辞書を買った人が戸惑うことになるのである。

  ならば、いっそ白水社の辞書だけおすすめの辞書にしておけばよさそうなものだ。 しかし、3種類の辞書のなかで一番収録語数の多いのは小学館の辞書で、これもなかなか捨てがたい。 白水社の改訂版の辞書も 新語をかなり増やしたようで 重宝している。 両方持っていれば 一番いいのかもしれないが、二つの辞書を両方買うとざっと9800円ほどになる。 スペイン語の辞書って やっぱり高いよね。

  初めてスペイン語を勉強する人には「スペイン語−日本語辞典」が「西和辞典」と呼ばれているということを説明しておく必要がある。 「スペイン」を当て字の漢字で書くと「西班牙」となり、それが「西和辞典」の「西」なのだと。 イタリアの「伊」と比べても、スペインの「西」は当て字としての知名度があまりないように思えるので、最初にきちんと覚えてもらわねばならない。 特に、白水社や研究社の辞書は それぞれ「現代スペイン語辞典」「新スペイン語辞典」という名前なのだ。 だからと言って「スペ和辞典」などと呼ばれるのは どうもねぇ... そんなの聞きたくないから 忘れずに説明しておこうっと。

  それにしても、スペイン語学習のための道具となりうる辞書については、まだまだ選択の幅が広いとは言い難い。 学習者の学力が向上すればするほどに辞書の記述の不備も目についてくる。 ただ、辞書は万能ではないし、辞書に書かれている情報だけがすべてではない。辞書の記述を鵜呑みにするばかりではだめなのだ(ということを悟るまで、私もずいぶん時間がかかったなぁと思う。)。 言葉は生きもので、新語も日々生まれている。 辞書に載っていなければ 書きこめばいいではないか。 辞書がいつまでもきれいなままの語学の達人など まずいないだろう。

  それでも西和辞典では足りないと思っている人へ。 そうです。 足りません。 西和・和西辞典より収録語数の多い英和辞典と和英辞典を買いましょう。 スペイン語と英語は似ているところもあるけど かなり近いというほどでもないので、あまり安易に英語から類推してはいけないのだけれど、語彙を調べるにあたっては ヒントが得られることもあります。 一番いいのは、西西辞典を買うこと。 これは一通り初級文法を終えた人でないとかなり手強い。 だけど、実は長い目で見ると、読解力も語彙力もつくし、スペイン語を理解するには最も適切な辞書なのだ。

  日本ではスペイン語の初級文法を終えた人は少なくないが、さらに上のレベルの勉強をし、その実力を維持し続ける人の数は ぐっと減っていく。 スペイン語学習初心者の皆さんには 西西辞典が使えるレベルになれるよう どうかがんばっていただきたい。

   Carmen

 

0. はじめに 

1. スペイン語圏

2. 辞書の話

3. 外来語あれこれ

4. スペイン語のテキスト

5. 性をめぐる話

6. スペイン語の映画

7. 動詞の森にご案内

8. もう一度やりなおしたい

9. セニョリータとお嬢様

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