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第1回 絵画は「もの」である

その1    その2 その3

 第1回ということで何を書こうか迷ったんだけど、最初から特定の画家や彫刻家について書くよりも、もっと大きな枠で書いた方が面白いに違いない。 作品の内容といった知識よりも先に、知っておいて損はしないことって他にもあるはずだ。 というわけで、初回のテーマは「絵画の物質性」について。 なんだか難しそうなテーマだな。

 プラドやソフィア王妃芸術センター(以下、「レイナ・ソフィア」と省略)といった美術館に行くと、絵画作品がずらっと壁に沿って並べられている。これでもかってくらい並べられた絵画を前にして、我々はまず、ぱっと画面を見て何が描かれているか読みとろうとする。 普通そうでしょ? 「あ、これ受胎告知だ」とか、「この点と線が風景? わかんねぇや」とか。

 ある作品に興味を持ったら、次にキャプションを見て画家の名前や作品のタイトルを確認する。 キャプションって言うのは、絵の横に付けられたプレートのこと。 そこには作品の制作年や画家の生没年といった情報を得ることができる。 プラド美術館では、最近、このキャプションが充実してきた。 部屋によっては時代背景や画家の略歴までも掲示されている。

 そして最終的に、その作品が好きかどうかを判断する。 それ以上の判断になると「専門的なことはよくわからない」から気にしない。 それが悪いとは言わないけど、それ以上のことを考えるのって意外と面白いんだよ。 でなきゃやってらんないでしょ、美術史の研究なんて・・・ブツブツ(独り言)。  ま、ここまでは美術館を訪問すれば意識しないでも誰でもがやること。しかし、ここで一歩だけ先に進んでみようというのが今回の文章の主旨です、はい。


関連ページ: ヴァン・ダイク《サティロスに驚かされるディアナとエンディミオン》の修復 (プラド美術館・公式ホームページ) http://museoprado.mcu.es/prado/html/exposicion14.html
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◆第1回 絵画は「もの」である
◆第2回 スペイン美術ってなに?
◆第3回 ボデゴン
◆第4回 再現の難しさ
◆第5回 美術品の裏の世界
◆第6回 それ僕の!
◆第7回 星へと続く道
◆第8回 典型的なスペイン女性
◆第9回 バルセロナ > ガウディ
◆第10回 ピカソは何美術?

 

 

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