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マドリード・スタイル |
第3回 NECK
& NECK |
別のブランドネタを用意していたのですが、目にした新聞を読んで急に変更しました。
私事で非常に恐縮なのですが、私ただいま妊娠8ヶ月。階段上るのも息を切らし、妊娠出産本に書いてある通りにこむら返りを起こしてのたうち回り、おなかも出っ張りどこをどう見ても立派な妊婦体型になっているため、公共交通機関を使っていると、私のために席を取ってくれる人までいて、感謝感激です。
Prenatal(イタリアのベビー用品メーカー)等、普段なら見向きもしなかったお店にも足を運ぶようになり、図らずも子供服の世界にちょっとだけ足を踏み入れることになりました。
とにかく子供ができるまでは見向きもしなかった分野なので、まず、出産を前に何を購入すればいいのかさっぱりわからず、今年の1月、子供服のバーゲンの山を目の前に呆然とした私。見かねた知人が半日付き合ってくれて、どこでどういうものを買えばいいか教えてもらって以来、少しは自分でもあれこれ買い物ができるようになりました。
いつもは大人ものしか見ることのなかったメーカーも意外と子供服を扱ってる事にまずはびっくり。そこの大人ものがいかにも質が悪そうだったので、今まであまりお店に入ったこともなかったメーカーでも、先輩ママの「あそこの靴下は意外にいいのよ」というアドバイスが当たっていたこともあり、私の夫まで自分用の靴下をそこで買い物する始末でした。
こういう芋づる方式に顧客をゲットできるのがメーカー側にもわかっているのか、子供服業界のセールス体制がわりと大人ものよりしっかりしている事を発見しました。
ということで、子供服を目指してうろうろしている2ヶ月ほどの間に、私は2つのメーカーの会員カードをもつ身となったのです!
日本にお住まいの方には、ぜーんぜんめずらしくもなんともない「DMを送らせていただきますから、こちらにお客様のお名前とご住所を・・・」というものなのですがこれがスペインでは皆無。スペインにやってきて、6年の間に持つことになったこの手のカードといえば、百貨店エル・コルテ・イングレスのカードくらいのもので、わりと高級なショップでも、そういうものは発行されないようです。そんな状況にあって、子供服を見始めて2ヶ月で2枚もカードができるなんて驚き。おまけに、その中の一つからは早速今年の春夏コレクションのカタログが届いたから、うっひょーと声をあげました。
そんなこんなといろいろ考えていたら、今日の新聞。
子供ファッションは、スペイン服業界ではエスタ・デ・モダ(流行中)らしいです。
確かにもともとマドリードに初めて来た時から、どうやらスペインでは、子供の洋服にはお金をかけるらしいとうすうす気がついていました、というのも、長年の愛用でくたくたになったコートを着たお父さんと少し小奇麗にしたお母さんが、ウールのお嬢様風コートに、タイツ、ストラップのついた可愛い革靴を履いて、そのままピアノの発表会か結婚式に行くようなピッカピカお出かけ用ファッションの娘を連れて街を行くのを見かけるからです。あまりの親子コントラストの違いに、私はちょっとぼーぜん。これまたこのパターンの親子の数がやたら多く、こちらでは子供の基本おしゃれの典型になっているようです。
子供にはお金をかけるんだろうな〜と思っていたけど、最近、その傾向は高まりつつあり、それで、今回のNECK
& NECKですが、チェーン店で、今スペインでもっとも店舗を増やしているメーカーです。ネットで調べてみたけれど、それも高級住宅地にあるショッピングセンターに店舗が多いのもポイント。その中、ABCセラーノ店に行ってみました。服はいかにもマドリード人が喜びそうなクラシック系。ワンピースには、ギャザーがたっぷり取られて、生地をたっぷり使い、一部の夏のワンピースには裏地もきっちりついている手の込みよう。確かにお値段も高め。そういうお店がスペインで店舗を増やしているのだから、これはちょっとした事件だなと思いました。
お店の人に尋ねてみると、赤ちゃんから14歳の子供まで、兄弟、親戚でおそろいにできる事、コンサバティブなデザイン、上等な品質がうけているそうです。
お店もとても見やすくなっていて、棚にシャツがシリーズ毎、色別にぴっしり綺麗に整然と並んでいて、お金持ちのお母さんの心をいかにもくすぐりそうです。
海外からの旅行者もお土産にたくさん買っていかれるとのこと。お嬢様系の好きなお母さんは、ぜひ一度覗いてみてくださいね。
● プロフィール
清水 良子
1969年京都生まれ。
龍谷大学短期大学部で、短大卒のタイトルをゲット後バブルMAX期に大手電器メーカーにもぐりこむ。4年半のOL生活後、女子社員の99%が結婚&出産退社していく中、遊学退社。アイルランドのダブリンで英語留学中に、ホセに出会う。
英語で苦労したため「また一からかよ〜」と思っていたのに、既に在マドリード6年目くらい。
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