スペインも6月に入り、真夏かと思うような暑さになってきました。 この間、珍しく日本の友人から電話があり、どうしたのかと思ったら、スペインにいる親戚のお葬式に出席するのに、3日後にマドリードに到着との事。で、彼女の一番の心配事は、「どんな服を着ていけばいいのかしら?」ということでした。マドリードに約1年留学経験のある彼女のかすかな記憶をたどると、どうもお葬式らしいものに行ったような気がするんだけど、周りの人の洋服なんてよく見てなかった、どんなのだったっけ?? 私もマドリード滞在歴トータル7年くらいに差し掛かり、お葬式への出席は、よく覚えているもので2件くらい、スペイン人夫直系親族のお葬式フルコースも経験したこともあり、自信満々であれやこれやアドバイスしてしまいました。 私にとって、スペイン式お葬式の洋服以上の最大難関はミサで、立ったり座ったり、神父さんの言葉と言葉の間に"con tu espi'ritu"等の宗教的な言葉をはさむシーンがあるのですが、どのタイミングでそういう言葉をはさむのか、しっかり規則があり、みんなばっちりタイミングよく適切な言葉を言うので、初めての頃の私は「おお、なんだなんだ!?」とたじろいでいたのですが、最近は要領をつかみ、わかんないところは無視。みんなが立ったら立ち上がり、座ったら座る、言葉をはさむところはパスすることにしています。 初めてのお葬式は、誰のだったかさっぱり思い出せないのですが、私は、まず日本人なら誰でも思いつく、とにかく黒の洋服にこだわりました。全身黒。とにかく黒でなくちゃあ。でも、いざその場に到着してみると、なんだかやたらくだけた様子。集まった人たちは、色とりどりで、ジーンズの人までいて、何ーこの人ふざけてるのかと思ったくらい。あまりに不謹慎な感じがしたので、こそっと隣にいた夫に耳打ち、「ね、何でみんな黒じゃないのかな?」夫いわく「着替える時間がなかったんじゃない?」 そういう問題かなあ? さすがに夫直系親族のお葬式の際は、夫は私に相談してきましたが、日本張りの真っ黒のスーツなんてもちろん持っていないので、控えめな色のカラースーツを着用。中のカッターもとりあえず白にして、ネクタイもできるだけ派手な色は避けた程度の服装でした。私もスペインのお葬式に慣れた身だったので、グレー程度の色のスーツを着ていたような記憶があります。 「白いブラウスと、黒いスカートだったらいいかしらね?」という電話の向こうの友人に、「そうそう、とにかく控えめだったら、何でもいいよ。日本人がびっくりするほどくだけてるからさー」とアドバイス。 彼女のマドリード滞在最終日、出発直前の空港で会ったときは、服装の話はしませんでしたが、「お葬式は悲しかったけど、来てよかった〜、従兄弟達とも話がいっぱいできたし」と近況を織り交ぜつつ、いろんな話をして、元気を取り戻して帰って行きました。
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3.NECK & NECK | |
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