レポート担当:Maki / 写真提供:清水理惠

ことの発端 ■サラピパス発足 ■資金繰り ■会場探し ■写真一般公募 ■カタログCDR作成に向けて ■ハガキ・チラシ ■直前準備
写真展当日 ■サラピパスその後(ミニサラピパス展、銀盤プロジェクト)

■ 写真展当日


 2001年12月6日(木)。冷たい小雨の原宿、ギャラリー・ハセガワにて、スペインをこよなく愛するメンバーによる、5日間のサラピパス写真展がスタートした。約一年前に発案、半年以上も前から準備をしてきたメンバー達は、喜びと不安と興奮と寝不足で記念すべきこの日を迎えた。期間中、メンバーはシフトを組み会場にスタンバイ、来場者への対応、イベントの裏方、備品の調達など運営にあたった。

作品 若者で賑わう竹下通りから横道に入る曲がり角には、デザイン担当の力作・立て看板が立てられた。「Bienvenido(ようこそ)!」ギャラリーに入ると、案内ハガキと同じヒマワリ畑と、フェリアの子供の特大写真がお出迎え。
 小さなギャラリーには、四方の壁いっぱいに、出展者それぞれの想いがこめられたスペイン写真が地方別に展示された。その総数およそ70点。
スポンサー棚 苦労して何度も作り替えたタイトルカードには、写真のタイトル、都市名と共に、その場所がスペインのどの辺か星印を付けた地図も載せられている。設置されたノートPCではカタログCDRのデモンストレーションを行い、その横の棚には、苦労して獲得したスポンサーからの提供品の数々が所狭しと並べられた。スペインワイン、カバ(スペインのシャンパン)、実はスペイン産であるチュッパチャップス、オリーブ、トルティージャ(スペインオムレツ)、そして何といっても写真展の名前でもあるスナック・サラピパス。スペイン・バレンシアのサラピパスの会社VELARTEに直接出向いて提供してもらった貴重な品だ。
 ギャラリーの中央には、これらの試食を楽しみながら、アンケートを記入してもらうためのテーブルといすを用意。スペインをイメージさせる牛のオブジェと、コルクボードのコラージュも置かれた。そして会場内に流れるのは、フラメンコからポップス、クラシックまで、メンバーの選んださまざまなジャンルのスペイン音楽。どこをとっても、その空間にはスペインの空気が満ちていた。そう、スペインそのものであった。

ピアノコンサート 初日のイベントは、メンバーの一人でもあり、写真も出展しているピアニスト・日裏さんのミニピアノコンサート。これがお目当ての人もかなり多く、平日で悪天候というハンデを跳ね除けて、客の入りは上々であった。そしてこの日のびっくり特別ゲストは、スペイン好きとしても有名な天本英世さん。スペインの有名詩人、ロルカの詩を朗読することでも有名な天本さんは、独特のオーラを漂わせながら写真やワインを楽しみ、お得意のロルカを披露してくれた。

 2日目の12月7日(金)も、イベントがない平日であるにもかかわらず、初日に負けず劣らずたくさんの来場者に恵まれた。その日担当のメンバーは夜遅くに報告メールを流すのが日課になってきた。来場者数やコメント、不足備品や改善点などが次々あげられ、会期中もメンバーの眠れぬ夜が続く。

 3日目の8日土曜日。週末ということもあり、午前中からどんどん人が入ってくる。13時半には本日のイベント、ギタリスト稲津氏のフラメンコギター。哀愁漂うギターの音色にもちろん観客は満員。18時をまわっても客足は途絶えず、大成功の週末にスタッフみんなで杯を交わした。

フラメンコ 4日目の9日日曜日、予想通りの大集客。CDRやスポンサー提供のスペイン食材などの売れ行きもなかなか好調。写真もとても好評であった。午後にはフラメンコとギターのジョイント公演。先日に引き続き稲津氏のギターに、清泉女子大フラメンコ部、Las Majasが華麗なフラメンコを披露。@SpainMLメンバーのYさんも参加して得意のカンテ(フラメンコの歌)を披露、小さな白壁のギャラリーはまるでスペインのタブラオそのもの。好評で1回の追加公演があり、18時の最終公演はトータル4回目。最後は大勢が参加してセビジャーナス大会となった。いよいよあと1日、明日で最後。

 5日目の10日月曜日はいよいよ最終日。イベントなしの平日だが、最終日ということもあり、それなりに繁盛していた。会場では、写真を見ながら、ワインを飲みながら、知らない人同士がスペインの話題で盛り上がっている姿がしばしば見られた。多くの来場者から「スペインに行ってみたくなったよ」と言われ、写真展をやってよかった、とメンバーの多くが感じていた。
 宴は終わりへと近づき、17時、長いようで短かった5日間の小さな「スペイン」は大成功で幕を閉じた。閉場後のギャラリーで簡単な打ち上げ。出展者の1人、田中さん夫妻とオーナー長谷川さんを含めてメンバーが最後の乾杯を。長谷川さんはすっかりスペインへ興味を持ってくれた。

 「このギャラリー開廊以来の集客数だったよ」というその長谷川さんの言葉どおり、5日間を通して集まった来場者数は大変なものだった。正確にはカウントできなかったが、会場に置いていたアンケート用紙は、150部からスタートして2日目には足りなくなった。追加の150部も4日目にはなくなって、最終的には450人来場は確実と思われる。回収済みのアンケート用紙には「ぜひまた開催して欲しい」という言葉が数多く見られた。
 出展されたどの写真にも、メンバーの愛するスペインへの想いがあふれていた。「楽しい大人の文化祭という感じだった」とはメンバーのKさん談。お客さんに喜んでもらえて、スタッフも楽しむことができた、大成功の写真展であった。


■ サラピパスその後


 写真展後しばらくの間も、アンケートの集計、写真の返却、WEBサイトでの報告などメンバーの活動はまだまだ多忙だった。その中でも、会期中に注文を受けた分のカタログCDR(完全版)の追加製作は、さらなる改良を重ねて3月上旬の今、ようやく完成しようとしている。

■ 2002年2月、ミニサラピパス展開催

ミニサラピパス サラピパスの活動第2弾が、2月22日(金)となった。この日は、@SpainMLメンバーの仲間であるスペイン在住のギタリスト河野氏と、写真展でも活躍したサラピパスメンバーのピアニスト日裏さんのジョイントコンサートが東京・市ケ谷のルーテル市ケ谷センターで行われた。その際にミニサラピパス展と題して、12月の写真展出展作品を中心に約20点の写真を再びロビーに展示、小さなロビーはすっかりスペインのイメージに変身。
 すばらしい河野氏のギターと日裏さんのピアノ、河野氏のお兄さんによるドン・キホーテの朗読といっしょに、コンサート来場者はワイン片手に熱くスペインを語りあった。コンサートとともに大成功に終ったのである。

■ 銀盤プロジェクト

 次なる企画として、忘れてはいけないものが1つある。実はサラピパスには、最初に写真展案が持ち上がった頃から同時進行で着々と進められている、これまた前代未聞の陰のプロジェクトが存在するのである。
 写真展カタログの提案が出た頃、こうしたメンバーの数多くのスペイン各地の写真や旅行記を辿りながらスペイン全土を旅することができる、いわば「スペインバーチャル旅行CDR」を作ろうという意見が出て、サラピパスの付属プロジェクトとして同時進行することになった。こちらの担当者は名付けて「銀盤騎士団」。写真展出展者、MLメンバー以外にもいろいろな人から広く旅行記や写真の提供を募り、その原稿を各地方別に騎士団がまとめてひとつの作品にするという方向で、新しい情報が日々追加されている。なんでも、今秋くらいにはお披露目会を兼ねたイベントが計画されているとのこと。
 こちらもスペインファンには見逃せない作品である。

 これらは、サラピパスメンバーがこれからも何か楽しいスペイン関連の企画をたくさん続けていこう、というスタートでもある。ますます意欲に燃えるサラピパスの活動に、今後も期待したい。

 

 サラピパス写真展の詳細や、カタログCDR・銀盤CDRなどのお問い合わせは下記のサラピパス事務局メールもしくはWEBサイトまでどうぞ。
salapipas@hotmail.com
http://www.asahi-net.or.jp/~NY4F-SKRB/salapipa/salapipas.html

 

トップページへ

 

 

e-mail address: info@arrobaspain.com
Copyright (c) 2000-2024@Spain all rights reserved.