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マドリード・スタイル |
第1回 FOSCO |
はじめまして。清水と申します。
どうやら仕事柄?「ショップチェック魔」のオーラがでているらしく、この手のファッション関係の原稿の依頼は2件目で、私自身もちょっとびっくりしています。
これからしばらく、ここで書かせていただくのですが、「マドリード・スタイル」は、私の暮らすマドリードだけのファッションを題材にしています、というのも、やはりスペインはお国柄、地方によって、そこに住む人の好みも流行も少しずつ違って、マドリードのファッションを語ることが、そのままスペイン全体のファッションを語ることにはならないから・・・。
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第1回目は靴、バック、アクセサリーのチェーン店"FOSCO"。
私は主に、ゴヤ通りのショップ前を通る事が多いのですが、サイトをチェックしたところ、やっぱりスペイン中にありますね、それにポルトガルにも。
私が特にこのお店に目をとめたのは、ここがつい最近まで、カンペールデザインのコピーを整然と、美しくいかにも自社ブランド然とウインドウに並ベていたメーカーだったからです。
おいおいとつっこみを入れたくなるような、マネッコデザインが並び、普通コピー商品といえば、好きな人には元ネタがばれて、「あらっ真似しちゃって」と思われるシロモノで、例えば、このような今やスペインを代表するブランド「カンペール」などの靴のコピーなんかは、「コピーです、マネッコです、でも安いですよ」と訴えつつ、普通の靴屋さんの隅にちらりと並んでいる・・・、そういう控えめさがあるよなあ普通、と思っていたのでした。
私はプロフィールにもありますが、在スペイン6年目くらいで、本格的にスペインのファッションにのめり込みはじめたのが、3年前くらいからなので、FOSCOの名誉のためにいうと、もちろんその前はもっと違った商品展開をしていたと思うんですね。
でも、2年程前から、コピー商品を自前商品のように並べ立て、カンペールに訴えられたらしいという話がまことしやかにささやかれた時期さえありました。
ところが、この前、ふとこのお店を覗いてみたのですが、今年の秋冬のデザインは、違います。それどころか、自前のデザインを開発し始めたらしく、保守的なマドリード女性には欠かせないローファー、ヒール靴はいつものように並んでいたのですが、特にコピーの多かったエレガンス系スポーツシューズ、それもなかなか自前のデザインで勝負しているし、トップの丸いストラップシューズに至っては、これまでこの手のペタンコシューズを置いた事がないようなこのメーカーにしては「どうしちゃったの!?」的事件です。以前よりも、デザインにバリエーションがでてきたし。
「専属のデザイナーでも雇いだしたのかな?」
というところです。でも、日本より依然靴のバリエーションと流行の変化が乏しいマドリードで、「めずらしいデザインの靴が置いてある!マドリードも変わってきたのね、ジーン」などと感激していると、どこ行っても似たような靴を見るという罠がたまに待っているので、油断は出来ません。
その上今シーズンは、FOSCOどころか、どこかの工場がカンペールの目玉商品群のアイデアいただき、オリジナルデザインを加えたものを独自に開発、生産しているようで、街のあちらこちらにはカンペールのコピーだらけ。
しかし、マドリード・ファッションは進化してます。(歩みはとっても遅いけどね!)
最近、大きくイメージを変えたメーカーはFOSCOだけではありませんでした。
そのお話は次回。
● プロフィール
清水 良子
1969年京都生まれ。
龍谷大学短期大学部で、短大卒のタイトルをゲット後バブルMAX期に大手電器メーカーにもぐりこむ。4年半のOL生活後、女子社員の99%が結婚&出産退社していく中、遊学退社。アイルランドのダブリンで英語留学中に、ホセに出会う。
英語で苦労したため「また一からかよ〜」と思っていたのに、既に在マドリード6年目くらい。
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