留学の秘訣教えます
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7. 学校選びをはじめよう-パンフレットチェックのポイント
前回に引き続き、数々取り寄せた語学学校、大学外国人コースのパンフレットの分析をしていこう。ケースカバー付の豪華版から、スーパーのちらしを思わせるものまで、そのスタイルは様々。しかし内容となると似たり寄ったりで決め手がないのがこのテのパンフレットなのである。今回は「これだけはチェックしておこう」というポイントを箇条書きにしてみた。きれいな写真や体裁に惑わされず、重要なポイントを押さえて、しっかりした学校選びをしよう。 1. 料金表について まず最初に、かつ熱心に見る場所だろう。他校との料金比較などをする前に「何が授業料に含まれているか」をきちんとチェックしておこう。 -教材 学校で使うテキストが含まれている場合とそうでない場合がある。学校が授業料に含まれているという教材は、授業中に配られるプリントであって、教科書は各々自分で買ってください、もしくは学校の購買部で買ってくださいという所もある。 -課外活動 有料のものと無料のものに分けている所が多い。市内観光、文化講義、映画鑑賞、程度はどこの学校も無料にしている。それ以外にどんなものが含まれているのかチェック。 -入学申込金、宿泊施設紹介料 デポジットとは別に、約30〜60ユーロ程度の手数料だが、この2つは取る所と取らない所がある。よくデポジット(前払い予約金)と勘違いする方がいるので注意しよう。 -その他の手数料 各地に分校を持っている学校の場合、途中の転校の際に手数料が発生するケースあり。また宿泊施設タイプの変更、コースの変更などの手続きにいちいち手数料をとられるところもある。 -料金変更について 料金表に2002年、と表記してある場合、この料金設定の期限は2002年の1月1日から12月31日まで。毎年の価格改定は1月1日に実施される。翌年にコース開始予定をされている方は気をつけておきたいポイントだ。 2.コースに関する情報 -実際のコース時間数 スタンダードコース、1日4時間いくら-という表記が目立つが、実際は"4コマ"とでもいうべきものであって、1コマは45分から55分、60分と学校によってまちまち。実際の時間数も把握しておくべき。 -コースの開始日、祝祭日 毎週月曜日から開講、という謳い文句だが、まったくの初心者の方については開始日を指定している所が多い。これは受講者の方をために設けている物であって、初心者の場合、無視できない項目である。また祝祭日に関してどのように対処しているかもチェックするべき。特に年末年始、セマナサンタ時期などは大きな休みをとる学校もあり、その分は振替授業となる。短期留学の方はこれらに振り回されないよう注意したい。 -コースの種類 通常のコース取得の場合には問題ないが、DELE試験対策コースなど、期間物のコースについては開始日、期間など学校によってまちまちだ。「最低人数○人以上で実施」という項目にも注意。 3.学校全体に関するインフォメーション -分校を持つ学校 チェーン展開で各地に分校あります、と宣伝する学校が増えてきている。本校以外の学校は果たして実際に「分校」なのか、それとも「提携校」なのかは必ずチェックしたい。A校は○○に分校を持っています、とのことで実際そこへ行ってみるとまったく違う学校Bの看板しかなかった-なんてこともある。それだけならまだしも、A校とB校の授業料に差があり、Bに直接申し込んだ方が安かった、なんてことでは笑って済まされない。 -新しい学校 創立2001年-なんていう、生まれたばかりの学校も多い。チェーン校の分校ならともかく、個人経営の場合生徒数全校5人-なんてことも考えられる。それの良し悪しは前回のコラムに譲るとして、このタイプの学校に入学希望の場合、自分の入学時の全体生徒数を聞いてみることをお勧めする。 4.一般規約条項(Condiciones Generales)は必ず読もう! 料金の支払いについて、キャンセルについてなどについて詳しく書かれた、いわゆるあなたと学校との「契約書」。パンフレットには必ず掲載されていなければいけない項目だ。そして入学申込の際には必ず読んでサインをするべきもの。残念なことにこの項目をパンフレットに明示してない学校もまだあるし(きちんとした学校であれば、この条項はパンフレットに明示の上、校内にも貼りだされているはず)、読んでいなかった、知らなかったということで、キャンセルなどの際にもめるケースも日本人留学生の中で結構見受けられる。目に見えないサービスであっても、物品の売買と同じく、お金が動くことであるのだから、しっかり把握をしておきたい項目だ。 5.その他(細かいことだけれども) -日本語、英語のパンフレット 近年は1つの学校がいろいろな言語でパンフレットを作成しているところが多い。日本語パンフレットを用意している学校も増えてきたようである。スペイン語とは別に書かれたこの言語が「正しく訳されているか」というのもチェックしたいポイントだ。例えば日本語の場合、きちんとした日本語、きれいな日本語で書かれているかというのは、いかにその学校が言葉を大切にしているかということの判断にもつながる。最近は少なくなったが、未だに海外の観光地レストランで時々みる、あやしい日本語メニューレベルのものを平気で送りつけてくる所があるのだ。こんな簡単で大切なことに気を使わない学校は、それなりの所と考えてもいいだろう。 -本当に存在する学校? 結果で言えば、パンフレットが豪華か、そうでないかでその学校の質は判断できない。ただあんまりなパンフレット(コピーを綴り合せたようなもの)の学校や、住所が曖昧な学校 -連絡先電話番号が携帯電話だったりする学校が存在する- は避けたほうが無難だろう。 後藤 美智子
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