留学の秘訣教えます


3. ばかにできない短期留学-留学期間と目的について(2)

現在夏季短期留学シーズン真っ最中のスペイン、どんな小さな語学学校も生徒数が増え、賑やかになる季節だ。各クラス人数も定員ぎりぎりまで膨れ上がり、大きい学校は校舎が足りず、夏休み中の小中学校の校舎を借りてしのいでいる。課外活動も盛んになり、毎晩街のディスコやレストランはナイトツアーでぞろぞろやってきた外国人の団体で盛り上がる。こんなバケーションチックな盛り上がりを見ていると、最低2週間、長くて1ヶ月や2ヶ月といたところで果たしてスペイン語が身につくんだかどうだかーと疑いたくもなるのが普通だろう。なおかつ前回の章で、「3ヶ月では現地の暮らしに慣れるのに精一杯」と言い放ってしまった私である。

しかし実際問題、短期でしか時間が取れない-という方もいるだろうし、短期だからこそ行ってみたい-という方も多いと思う。そして何よりも「ぜひ行ってみたい!」という意欲が一番大切だし、短い期間だからこそ、その意欲を現地に持ち込んで完全燃焼することができるはず。ぜひそういう方々が、滞在期間を十二分に満喫できることを願って、以下にちょっとしたアドバイスを挙げてみた。(ここでいう短期とは最低2週間から3ヶ月未満の期間のことをいう。)

1) 現地での生活をちょっと経験してみたい方
旅行で行ったことのある街で、一度ぜひ生活してみたい! という方も多いし、また数ヶ月の長期旅行プランの間、ベーシックなスペイン語を現地で身につけて、より旅行をエンジョイできるようにしたいという方もいる。

スペイン語習得について
いくらスペイン語の学習が目的の中心ではないとはいえ、辞書ぐらいはしっかりしたものを持っていこう。なんせ授業はスペイン語で行われるのだから、「トラベル会話集」だけではすぐギブアップしてしまう。目標を「いつも行く近所の八百屋のおばちゃんとの会話レベルアップ」とか、「スーパーの広告チラシは辞書なしで読める! (笑)」とかの、本当にちっこい、現地に生活しているからこその"ミニ目標"を立てると、授業中のやる気も違う。学校は課外活動の多い、賑やかな学校がお勧め。この課外活動をよくチェックしてマメに参加し、他国からきた友人、知り合いをたくさん作ろう。コースは一番ノーマルな"インテンシブ・コース"、1日4時間というやつで充分。物足りないようであれば、後で会話レッスンとして週何時間かの個人レッスンを追加すればいい。

★生活について
生活習慣や物の考え方、捉え方に、現地の人と自分の間に差があるということは、一応ちゃんと覚悟しておこう。-これはどんな留学のガイドブックにも書いてある基本のことだけれども、特に短期滞在の場合、思いっきり「日本モード」で現地到着、そのまま引きずってしまいがちなのである。私たちが「普通はこうだよねー」と思うことが普通でなかったりするし、第一その普通の基準から違ったりする。このことに関しての認識が薄いと、日常生活のほんの些細なことでトラブルが発生しがち、ご注意を。


2) 集中的な学力アップ、力試し
★スペイン語習得について
例えばスペイン語教師養成コース、DELE対策コースなど、特殊なコースを受講する目的がある方を除いた場合、気をつけたいのはコースの選択の方法。前回の章でも述べたように、3ヶ月以下の短期留学で劇的な実力アップはあまり期待できないと考えた方がいいだろう。しかし文法における弱点の克服、そして会話レッスン、語彙力アップには充分役立つ期間であるし、うまく使いこなせばかなり効果的な学習ができる。少人数コース、個人コース、または双方をミックスしたコースなどがお勧め。

確かにこれらのコースは高い。でも、特に学校の生徒数が膨れ上がる夏季に留学する場合、これらのコースをお勧めしたい。団体で来たバケーション気分の欧米人学生らの雰囲気に巻き込まれることもないし、ちゃんと勉強したいと思っている人が多く参加している傾向がある。 

個人コース選択の場合、第一日目にどういうことを重点的に学びたいか、ということをはっきりと申し出よう。自分で授業の流れを作れるのがうれしい個人授業。例えば「サッカーが好きだからそれを題材に授業を! 」となると、専門用語のリストアップから始まって、記事の読解、仮想インタビュー記事の作成-なんておもしろい授業内容を作ることができるだろう。

★生活編
学校と家の行き帰りのみで、毎日のパターン化に陥りやすい。スペイン語の実力アップという大きい目標の元に来ているので、つい宿題をやっているうちに朝を迎えてしまった-なんてことのないように。授業以外の場所で教材を見つけていくようにしないと、宿題の穴埋め問題がうまいだけの人となってしまう。 映画、コンサートに行くのもいいし、バールで隣に座った人達の会話の盗み聞きでもいい。せっかく現地に来たんだから、日本の語学学校ではできないことを探す努力をしてみよう。


3) 長期留学のための下見
・自分の目で確かめて学校選びができる。
・実際に生活してみて現地の様子を探るという点ではかなり有効。

学校選びでは
-学校の場所、施設のチェック
中心地を外れすぎてないか、きちんとした施設が整っているかなど。豪華である必要はないが、建物がボロ過ぎる、雑然としていて汚い、暗いなどの印象が残る学校は、設備投資をケチっているとみていい。

-スタッフの対応
親切すぎる必要もないが、つっけんどんな態度での対応、細かいこと(例えば日本人生徒数、1クラス何分かなど)を聞いてもはっきり答えられない-などはキチンとした社員教育がないか、悪い労働条件で働かされているかと考えられる。

-日本人生徒へのインタビュー
授業内容と課外活動の2つに絞って聞く。時間にルーズすぎないか、レベル分けがいいかげんでないか、またパンフレットにある課外活動は実施されているかなど、具体的な質問をしてみよう。1人1人学校との相性もあることだし、「どうですか? 」という曖昧な質問で個人の感想を聞きだして、それに振り回されすぎないようにしよう。

以上のチェックを忘れずに。

★生活編
学校にしろ、ステイ先にしろ、2週間ほどの短い期間でも「大体こんなものか」という流れがつかめることと思う。できればなるべく市内を散策して、交通機関の情報、警察、郵便局、図書館などの場所を確認しておこう。こういうことは最初にしとかないと、学校が始まってからでは結構時間が取れなかったりするものである。

以上、ちょっと大まか過ぎるかもしれないけれども、大体のアドバイスを書き記してみた。短期留学のコツは自分なりの、それもちょっと具体的な目標を持つこと。スペイン語の学習が目的でなければ、それ以外の例えば「街のバール全部制覇! 」なんてものでもいい。期間は短いとはいえ、旅行ではなく、現地で生活するわけなのだから、なんとなくだらだらとしているうちに時間は過ぎてしまうもの。なおかつ入ってくる情報は極端に少なくなるので、つい日常生活に埋もれてしまいがちである。あくまでもフットワークは軽くしておくことを心がけよう。


 

後藤 美智子
留学の秘訣 《目次》 2.ペラペラ神話をぶち壊せ! 4.学校選びをはじめよう


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