留学の秘訣教えます
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13. 学生ピソ相談受付日記(1) 某月某日 ホームステイを商売としてやって生活をしている人と同じく、ピソ家賃の上がりに頼りきって暮らしている人というのは多い。親から譲り受けたピソを学生に貸し出し、自分もそこに住んで仕事もしない-なんていうナマケモノも中にはいる。備品の修理や補填は一切やりたがらないくせに、家賃の取り立ては厳しく、何かしら難癖をつけるために頻繁にやってくる。絶対に入りきらない人数を入れてしまう、などケチの王道を行くのがこのタイプ。こういう人達から借りたピソで不運にもトラブルがあった場合、まったく話にならないレベルの喧嘩になってしまうことが多々あるのだ。ただ、この手の大家をどうやって見極めるか、なんてことは至難の業だろう。契約書や領収書のチェックはぜひお勧め。そして不幸にもトラブルに見舞われた場合には、まず速やかに次の住処を探し始めることが先。話し合いで円満解決することを期待せず、相手の罵詈雑言に耳を貸さず、あくまでビジネスライクに処理していくつもりで対処しよう。あなたの貴重な時間をつまらない揉め事で潰すことはないのだから。 某月某日 この手の相談を受けると、ご本人には申し訳ないが"スペインの夏の到来"を感じる。 結局この方は居住人数の少ないピソにかわって貰って満足されたよう。もっと長期滞在ならば、ご自身で新しい場所を探されることも薦めただろう。 某月某日 ピソの同居人はスペイン語教師ではない。それぞれに仕事やら勉強やら自分の生活があるフツーの人だ。そして最初から友達ではなく、たまたま同じアパートをシェアすることになった人だ。トラブルがなければ、あなたが外人だろうが、スペイン語が喋れないだろうが、知ったことじゃない。そういうところから始めて、じゃあどこまで親しくなれるかというのはお互いの歩み寄りしかないだろう。ただ、他人との共同生活が初経験の方にとっては"どのように同居人との距離をはかるか"の目安がつかめるまで少々時間がかかるだろうが。 某月某日 ---本人が几帳面すぎる。(牛乳コップ一杯、レタス一枚減っていただけで大騒ぎになる。それ以前に減っていることに気がつく…ずっと冷蔵庫内を見張っているのか?) のどれかに当てはまるだろう。まあ相手と話してみるしか対策がないのだが、それでも効果なし、明らかに故意でやられているのだとしたら、もう同じことをしてあげるしかないだろう。相手所有のりんごを一口齧り、パンの真ん中に穴を空けてそっともとに戻しておいてあげようではないか。 自分で見つけてきた激安家賃のピソ内で物が無くなる、食べ物を盗まれると嘆いていた人もいたが、もう論外。そんな激安家賃の場所にどんなクラスの人間が住んでいるのか、想像がつかなかったのだろうか。 某月某日 某月某日 日本人のバスルーム滞在時間の長さはこの方に始まったことでなく、よく聞く話だ。長い間身についている習慣であるだけに、文化の違う国にいるのだから-ということで急に変えるのも難しいだろう。しかし何人かが共同生活をしている場所、またその中の共同スペースで自分の常識を頑なに通そうとするのはどうだろうか? "普通日本では○○ですよね〜?"というのが前出の相談者の口から何度も出てきたフレーズだった。日本国内だろうが、国外だろうが"普通"というものが意外とその個人だけの常識であったりすることに気がつかれることを期待したいのだが。
後藤 美智子
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