スペインの住宅事情をここにまとめるのは、容易なことではありません。そこで手を抜かせてもらって、マドリードを例にとって説明させてもらいます。(^^;　地方に行けば、 もっと安くて良い条件の住居が見つかる可能性も大きいかと思います。

　マドリード市内では"Piso"（ピソ）と呼ばれる、マンション、アパート形式の住宅が普通です。一軒家もありますが、一部の地域か 相当にかなりスゴク裕福な家庭であるといえましょう(うらやましい…）。

　部屋の広さはいろいろで、1部屋に浴室、台所もついたワンルームタイプ(Estudio）、寝室が１つにサロン、浴室、ダイニングキッチンというようなタイプ、大きくなると200平方メートル程度で6部屋に浴室が3つ、サロン、ダイニングキッチンが付くというような場合もあります。

　賃貸ですと、家具付き、家具無し、エレベータの有無、"PORTERO"（ポルテロ、管理人）の有無、都市ガスの有無、暖房の有無、プールやテニスコートなどの有無によっても、当然ながら価格が変わってきます。

　借りる方法にも、いろいろあります。ピソを一つ借りてしまう方法、大きめのピソを数人で共同して借りる方法"Compartido"（コンパルティド）、大家さんのピソの一部屋だけど借りるホームステイ的な"Compartido"(Hue'sped、ウエスペー) もあります。

　ピソを一つ そのまま借りるのであれば、不動産屋を通して探したり、住みたい地域を歩いて回ってベランダに"ALQUILER"と書いてある札の電話番号を控えて自分で電話して大家さんに問い合わせ、交渉するという方法があります。

　自分で探すと、不動産屋に支払う手数料分だけ安くなりますが、探す手間や電話して部屋の状態と条件を確認するという手間がかかります。なかなか気に入った物件が見つからないと、この作業はだんだん嫌気がさして 面倒になってきたりします。(^^;

　自分で探したいのだけど歩き回りたくない人のため、というわけではないのですけど、マドリードにはそういう人のための情報誌があります。"segundamano"（セグンダマノ） というのがそれです。KIOSCOで売られています。新聞と並んで売られていますので、相場の検討のためにも一度見てみると良いと思います。雑誌のように写真が入っている"FOTOsegundamano"というのも出ています。

　segundamanoには、CompartidoやHue'spedの情報も出ています。

　確認事項：

　家具付きか、家具無しか。家具付きですと、家具の他に洗濯機、冷蔵庫、食器、鍋、タオル、シーツなどが付いています。付属の家具かちゃんと動くかどうか、動かなければいつまでに修理してもらえるのか。

　家賃に含まれる内容はどこまでか。建物全体の管理費(comunidad、コムニダー)が家賃に含まれているか、別払いか。また水道代、電気代などは管理費に含まれていて、管理費から支払われるところ（言ってみれば 定額使い放題）もあります。

　暖房（calefaccio'n、カレファクシオン）はセントラル・ヒーティングか。冬場は特に重要です。寒がりの人にはセントラル・ヒーティングがお薦め。セントラル・ヒーティングのところでは、暖房が入るとお湯も出るようになっているところがあります。

　ガス。都市ガス（Gas Ciudad、ガス・シウダー）が入っているかどうかも、結構大切。マドリードでも、まだまだブタンガスを利用しているところが多いです。その場合、ガスが無くなってくると電話して頼むか、配達中の人をみつけて頼むかとなり、どちらにしてもその時に家にいなくてはならないのでそれなりに面倒な作業です。

　マドリードの場合、銀行の残高証明を要求される場合もあります。また、2ヶ月分を保証金として支払います。　この保証金は、特に部屋の損傷が無ければピソを引き払うときに返却されます。　大屋さんによっては6ヶ月分を保証金として銀行で Aval 設定することを請求されることもあります。　地方では保証金不要で、家賃を前払いする事で簡単に借りられることが多いようです。

　そういう意味で、マドリードはちょっと「うるさい」というところですね。

　借りた部屋ですが、日本では釘を打ってはいけない、暖房は電気に限るなどといろいろ注意事項があったりしますが、スペインでは借りた部屋にでもバンバン釘などを打ち付けます。そういうことに、気を使う必要はないでしょう。(^^)

　参考までにマドリードでの家賃例を次に示します。

130平方メートル、3寝室、2浴室、台所設備、3プール、庭、駐車場　1,500ユーロ