ちょっと前のわたしたち

【No.240】10月4日 Meche * 【No.241】10月11日 Maki
【No.242】10月18日 SARA * 【No.243】10月25日 かおる

No.243

10月25日 かおる(マドリード)

 この10月は、スペインにいながらたっぷりと「日本」を堪能させていただいた。
なにかというと、ここマドリードで、10月のはじめから「歌舞伎」「狂言」「能」「文楽」と日本文化を代表する伝統芸能の公演が揃って開催されたのだ。(中には本公演ではなく、解説に一部デモンストレーションを取り入れただけの形式もあった) 日本にいてもこれだけすべてを鑑賞することは難しいこと。 しかも入場料は安い。 これを逃す手はない、とすべて観ることにした。

 すべての催しに共通していたのは、単なる上演だけでなく、その芸術の歴史や当時の日本の慣習、その芸の表現方法などを交えた解説を組み込んでいること。
その解説はたいていの場合、演者の方がするのだけれど、これが皆さん非常によく考えていらっしゃるのだ。 それぞれの芸において、その特徴が的確に、わかりやすく、非常に興味深く説明されていった。

 そして、ときどき、軽いジョークも交えながら、日本の伝統芸能とは遠い異国の古い形式を継承しているだけでなく、今の時代にも通じる面白さがあることを感じさせてくれる。 公演の面白さもさながら、この解説だけでも楽しく過ごせたといっても過言ではないほど。 聞いていてよくわかり、楽しい解説というのは、十分に練られたアイディアがあってからこそ。

 ただ公演すること、芸を披露することだけを目的とするのではなく、日本の伝統芸能を理解してもらおう、という使命感と意気込みを持っていらっしゃったのだろう。
そんな気持ちが舞台から発せられていたようで、鑑賞する側にとっても非常に気持ちのよいものだった。 もし、生の解説がない、ただの公演だけであれば、観た人も「XXという日本の伝統芸能の公演を観た。興味深かった」だけにとどまっているかもしれない。 でも、少しでも理解を深めることによって、与える感銘も印象も興味にも大きな変化がある。 公演があった意義は大きいが、なによりも私が感服したのは、日本からやってこられた演者さんたちが持ってこられた「伝えようという気持ち」だった。

 そして、もう一つ驚いたのが、スペイン人観客が示す関心の高さ。年齢層や社会的な層はまちまちだが、みんな真剣そのもの。ただ「物珍しさ」で鑑賞しているのではなく、ある公演の説明ではノートまでとっている人もいた。 スペインに日本ブームが到来して、久しい。 PCのゲーム、アニメ、日本食、ファッション・・・こんなところから日本に関心を持つ人たちが多い。 マドリードの公立語学学校の日本語コースはキャンセル待ち状態が続いているとも聞く。

そんな関心を持ったスペイン人観客でどの催しも「満員御礼」だった。 特に文楽の公演などはマドリードの劇場で5日連続という、私が知る限りここまで観客動員数があった日本伝統文化の公演はスペインでは今までなかったのでは、と思うほど。

 今の日本ブームにこうやって、伝統芸能のエッセンスを加えることができたのは、とてもタイミングもよいのかもしれない。 消費文化の顔とはまた違った日本の顔を紹介することができたのだから。 私も日本人としてこれらの伝統芸能を誇りに思うこともできた。 こんなすばらしい機会を与えてくれた、遠い道のりを来てくださった公演メンバーの方々に深謝。

 

No.242

10月18日 SARA(グラナダ)

 今日は、いろいろ、な話題、です。

「平和ぼけ」
こんにちは。 やっと、大いに不足だった雨がスペイン全土に降っています。
ああ、よかった。 と思ったら、今度は制限無く降り始めて、車が泳いでる街のニュースや、土砂崩れ等のニュースが後を絶たない。 ああ.....
雨に弱いのよね、この国。 もうちょっとどうにかならんかなっと。

 そして、なんだか最近のニュースの映像は辛い。 世界各国での自然の災害に加えてアフリカからスペインに逃げてくる移民を追い出すニュース。
全部受け入れられないんだろうけど。 でも、帰しかたってのも結構きついんですよ。
食べ物も飲み水もあまり与えずに手錠つけてバスに押し込んで、砂漠についたらおろしちゃう、みたいな...............

 毎日仕事行って、レッスン行って、アイロンかけて、洗濯して、パン買ってっていう生活もとっても普通でいいんだろうけど、こういうニュースをわきめに見て、なんだか自分も含めてほかの世界って平和ぼけしてるんじゃないかと思うこの頃です。

「ぎっくり腰」
とうとう来ましたよ。 やりました。 いろいろな人のケースを聞くと、私のは軽症のほうらしい。
夏に怠け放題だった体を、そろそろクラスも始まるのでまずいな、と思い、
急にはりきって柔軟体操をぐいぐいやったら、
次の日に起きるときから腰がずーんと重かった。
更に柔軟したからもうまずかった。

 午後からはもうあまり動けない体となってしまった。
このぎっくりさんとは、もう友達づきあいしたくないな、と思った。
軽症でもけっこうきつかった。 1週間はほんとうにじっとせざるを得なかった。

 もうなんでも、思いっきりやっては体がもたないのね。 昔は何をやっても大丈夫だった。暴飲、暴食、トレーニングだって急にやっても大丈夫。
でも、もう最近は何事も加減ってものを知っとかないと駄目だということだ。
2週間、暴飲、暴食の結果がそうか、腰にくるのね。
踊っているだけに体の衰えが目に見えて分かる。想像以上に早いのだ。
キープするのも真剣にやらなくてはと思い知らされた。

「レッスン開始」
自分の楽な体重より2キロオーバー、そして、さぼっていた夏が終わり、
10月にフラメンコの学校の新学期が始まった。
新しい曲も始まり、学校は活気に満ち溢れている。 いい雰囲気だ。

 その反面、私の体はちょっと重い。 うーん、早くもとに戻さねば、と思っているとき、私の先生がプロフェッショナルクラスを編成したので、火曜日の昼間も来ていい、という。
行ってみたらスペイン人3人と私の4人だけだった。 20人のクラスでもはーはーいってた私は、4人のクラスで1時間じっくりみてもらって最後は息があがってしまった。 他の3人は皆20才そこそこの、舞踊学校の生徒達で、うっすらと汗をかいている程度だ。 曲もちょっと私にとっては難度が高い。 タラントというフラメンコの炭坑節といっておこう。 なんか、とにかく焦ってしまった。

 タティアナ先生にごまかしは一切きかないのだ。 マリキージャという生きる人間国宝の舞踊家の娘で、私の踊りは10年以上みてもらってるので、ごまかしようもない。  私がその気になってないときや、意味がわかっていないときの顔までしっている。

もう歩きはじめる時点でやりなおしが何度もはいってしまう。
なんとかおちこぼれないように、調子を整えていきたいと思います。
家では、ひたすら歩いている私に、旦那が不思議そうな顔で
それがプロクラスで習うステップなのか?と言ったが、私は
無言になってしまった.....................

私は10年前にもソレアという曲をタティアナにつけてもらおうと思ったが、
歩くだけで5時間がすぎ、音をあげたことを確実に思い出していた。いや。
それは忘れてはいなかった。 そんな風に教える人は初めてだった。
そして、10年たっても私は歩くこともできない............?
フラメンコは深すぎますー。

「ヘレス」
毎年2月か3月にアンダルシアのヘレスという街で、大きなフラメンコフェスティバルが開催される。 コルドバや、セビージャのビエナルフラメンコと同様に有名で大きいフェスティバルである。

 この2週間、毎晩町中の大小の劇場では新しいフラメンコの作品が公開されたり、
歌のコンサートが同時に開催されるし、大御所のクラスも開催される。

 ヘレスはフラメンコでも独特のものを持っている。 アンダルシアの各地、独特なものをもっているし、それそれ違うものであるが、ヘレスのそれは、肩の力がぬけている感じで粋である。

 私がマドリードでばりばりに勉強している頃、一度行き、夜に地元の人たちとのセッションになったとき、あまりの違いに私はびっくりした。
同じルールをもつフラメンコなのにぜんぜんそれは違うのだ。
私のこの踊りはあなたたちのとは違う!合わない!と根をあげたとき、
地元の人は、そうでしょ、そうでしょ、と大笑いして喜んでいた。
中には手拍子の音の質とか、コンパスの粘りがこう違う、とかって解説してくれる人もいた。

 来年の2月には、レッスンをかねて1週間のヘレス行きの許可が出た!
私にとっては再挑戦、リベンジ!である。 今回はあんなに早く音をあげることはないことを祈るし、ヘレスの感じをもっと理解、吸収して、自分の踊りに生かせたらと思っている。 私の踊りはもうヘレスにならないのはわかっている。

それほど、独特なのだその踊りは。 私はどうしてもグラナダなのだ。
でも、あのちょっとしたコンパスのトリックというか、あの軽い感じを吸収したい。

 計画としては 夜な夜な、地元のフラメンコ酒場に行ってセッションすることである。
この計画は旦那にはばれてるかもしれないけど、一応内緒だ。
この文章を読んだひとは、告げ口しないでくださいね。笑。

 レッスンはちょっとした口実である。 でも、でも、
レッスンだってちゃんと納得の大御所のところに潜り込むことができた。
マノロ・マリンという、古き良きセビリアを踊る方だ。
プロクラスだったので申し込むのにビデオ判定があった。他にはピンとくる 先生と曲目があまりなかったので、これにもれたら一応次の機会に、 と思ったところが私って真面目。?
まあ、上手く映ってるビデオを送ったので、クラス入りは合格して、
今はわくわくしながら、体力とテクニックをあげて来年のヘレスに備えるとう感じです。

 ヘレスといえば、王立馬術学校というすばらしいものがあって、週に2度、躍る馬のショーをみれます。 今から来年のスケジュールをくんで、なんとか踊る馬を見ようとしている私って...?????

 それと、やっぱり、ヘレスにいったらシェリー酒を飲まなくちゃ。 でも、飲みなれてないから、酔っちゃうかな、とか、ってそんなこと考えてる私って、やっぱり平和ぼけ、と思います。

 で、最初の話題にもどって今日はおしまい、です。

 

No.241

10月11日 Maki(横浜)

 最近、ちょっとワインにはまっている。

 昔は赤ワインがそれほど得意ではなくて、飲むとしても白ばかりだった。それも、特別な時しか飲んでいなかったし、わざわざ自分で買って飲むこともなかったワインだけど、スペイン滞在をきっかけに大好きになった。 それも、苦手だったはずの赤、しかもどっしり重厚な赤ワインを好きになってしまったので不思議だ。

 今はわざわざ自分で買って飲むけれど、ワインを買おうと思うとついついスペインワインばかりを選んでしまう。 産地など多少は知識もあるし、ラベルのスペイン語も読めるし、スペイン好きとしては何となくこだわりたいし。 でも、フランスやイタリアのワインと比べると日本で飲めるスペインワインは選択肢が少なくてちょっと寂しい。

 しかたなく、ほかの国のワインもいろいろ挑戦してみようと思うのだけれど、どうも何を基準に選んでいいのかわからない。 フランスなんかだと敷居が(値段が?)高い気もする上に、たくさんありすぎてよくわからない。 しかたなくイタリアあたりならスペインと似てるかな〜とか、値段のわりに美味しいからチリにしておくかな〜とか、結局何となく見た目と予算だけで判断してしまう。

 それでもいいのかもしれないけど、やはり日本でワインを飲むとなればスペインよりもフランス・イタリアなどがメジャーなわけで、それが色々わかるようになれば、店で自分で選ぶときも、レストランで頼むときもずっとずっと選択肢が増える。 スペインだけでなく、どの国のワインでも、ラベルが読める(どんなワインかがわかる)ようになって、どんな料理にどんなワインがあうかがわかるようになれば、もっと楽しいはず。 スペインのだって、結局は何となくの知識だけで詳しいことはよくわかっていないから、もっときちんと知りたい。

 そう思って、実は最近、ワインスクールが主催するワイン講座に何回か参加してみた。 単発の体験・入門講座なので、ワインの発祥の地、赤白ロゼの作り方の違いなど、ほんとに基本的なことを広く浅くという感じだったのだけど、当たり前のようなことでも知らないことが多くて、とっても勉強になった。 それに、何しろ自分では買わない(買えない)ようなワインを何種類も実際にテイスティングしながら現役ソムリエの講師の話を聞くのはすごく楽しかった。 ちょうどキャンペーンに使うので取り寄せたという日本未発売のワインの試飲までさせてもらったりして、ラッキー♪

 講座に行ってみて、ますますワインのことをもっと知りたくなったので、時期と内容が合えば、単発ではなくもっと本格的な講座にも行ってみようかと思い、色々調べているところ。 もちろんお金もそれなりにかかるけど、知識だけでなく実益も兼ねた趣味、って感じだから、まあいいかな? ソムリエナイフとかボトルストッパーのようなワイン小物を探して歩くのも、最近の楽しみのひとつになった。

 

No.240

10月4日 Meche(京都)

 ららら、バカンス〜♪

 朝晩の冷え込みに「秋なのね〜」としみじみ思う今日この頃になって、夏休みが取れることになった。
  絶対休めないラジオの番組が、なんと1回お休みに。 しかも局側の都合なので、ギャラが発生するお休み。なによ〜、最高〜!!!
  迷わず、もう一方のアルバイト先に「2週で計4回休みますっ」と勝手に言い切って、13日間の連休を確保!
  こんなに長いお休みは何年ぶり? やったね、日本を脱出しちゃうもんね!てことで、諸事情から旅のパートナーに母を誘った。

 一番先に頭に浮かんだ行き先は、もちろんスペイン。
  しかし、季節は秋。昔から言うじゃない、女心と秋の空。 そう、女の気持ちは移ろいやすいのよね・・・浮気することにした。 と言うにはまったくの“こじつけ”で、もう何度もスペインを旅した母に、今回は違う国を見せてあげたいなと思った。 しかも、エキスポ“愛地球博”で飲んだその国のワインは、余りに美味しかった。 ということで、行き先はルーマニアに決定!
  やっぱり、女心と秋の空より、秋は食欲の秋でしょ。

 共産主義時代の面影がまだまだ色濃く残ってるルーマニアの旅行は、メジャーなヨーロッパの国と比べるとかなり面倒。 クレジットカードの使用はもちろん、日本円やトラベラーズチェックの両替も難しく、ドルかユーロの現金を用意しなくちゃいけない。 電気事情、交通手段も不安定。 しかも、今年は洪水による被害も深刻。 入ってくる情報は、不安要素がいっぱい。

 情報がすべてではない、行けば何とかなるし何とかしちゃう、がモットーの私はどちらかというとそんな旅行が大好きなんだけど、今回は日程に余裕がないのと、母が一緒ということから、現地旅行社に依頼して個人ツアーを組んでもらった。

 プライベートルームと呼ばれる民宿に泊まったりしながら、世界遺産や素朴な田
舎を車でまわる今回の旅。 どんな素敵なものに出会えるかと思うと、久しぶりに
胸がウズウズする。 いい思い出がたくさんできるといいな。

 そういえば、北の村で泊まる予定の民宿のオーナーが、私たちが行く時期にイースターエッグの絵付けのデモンストレーションでスペインへ行くらしい。 今回見送った大好きなスペイン。 私たちの分まで楽しんで欲しいなって思う。

 それでは皆さん行ってきま〜す。

 

 

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