前回の「最近の私たち」がアップされた後で、マドリード在住の友人から電話をいただいた。 また、あの思わせぶりな終わり方は何だ、と感じられた方もおられたようなので、事の顛末をはっきりさせておこうと思う。
我が家のご近所には子供が二人という家庭が多いようだ。 左隣は男の子が二人、右隣とその向こうは女の子と男の子。子供が一人だけという家庭は少ないようである。
一人っ子というものは結構わがままに育つらしい。 周りが何でも言う事を聞いてやるからか、我慢することを経験しないからなのか。 我が家のマルティンも執着心が強く、わがままに育ったきらいがある。
親しくなったご近所の人たちからは早く二人目を作れと言われていた。 が、特に欲しいと思っていたわけではなかった。 二十代で子供をもうけて、その子供が二十代で子供を持ったとすれば、お爺ちゃんと呼ばれてもおかしくない年齢なのである、自分は。 気持ちだけはまだまだ若い気でいるが。
マルティンを見ているとやはり兄弟がいた方が良いだろうという結論に達した。 女房のバイラオーラ(フラメンコの踊り手)としての仕事が一区切りついた状態だったので二人目をもうけるには今しかないという時期だったのである。
市販の検査薬で調べたところ陽性の反応が出た。 病院での検査を受けようと予約を取ったら二ヶ月先の日付を指定してきた。 近所に Seguridad Social(社会保険管轄)の比較的大きな病院があり、そこの対応には満足していたのだが、産婦人科に関してはあきれるほどの対応である。 そこで、民間の保険会社Sanitasに病院を紹介してもらって数日後の予約を取った。
もう二十年以上も歯医者以外の病院に行ったことがなかったので、結婚して初めて Sanitas の医療保険に加盟したのだ。 が、普段は大して役にも立たず、料金だけは高いので、そろそろやめようかと話していたところだったのである。 その Sanitas で紹介された病院に行ったその日にエコー検査を受検。 その後も毎月一回エコー検査を受けることになる。 その時だけは Sanitas をやめなくて良かったと実感したものである。
診察室の外で待っていたのだが、呼ばれて中に入って画像を見せられた。 袋状のものが二つ見えた。 「双子です。10mmと11mmです。」最初は何を言っているのか理解できなかった。二人目が欲しいとは思っていたが、いきなり双子と言われてもね、実感がわくものではない。
あれこれと心配しているうちに、二回目の検査の日が来た。 エコーをあてると40mmに成長しているのが見えた。が、片方の姿が見えない。 どうも消滅したようなのだ。 成長している方は頭や足らしきものが見え、感動ものであった。
片方が消滅してしまうことは良くあることらしい。 ただし、片方の影に隠れてしまっているということもあり得ない事ではないらしい。 まぁ、残っている方が無事に成長してくれることを祈るばかりである。
今度生まれてくる子供が成人するまでと考えると、後20年は働き続けなければならない。 もう定年を迎えていることになるが、今から心配する必要もないだろう。しかし、まぁ、子供が成長するまではうかつに死ぬことも出来なくなったという次第である。 |