|
人生ってのは、急にとんでもない方向へと動き出すものだ。最近、私の人生をまさに根本から変えてしまう程の大事件が起こった。来年2月に、股関節の手術をすることになったのだ。
股関節がちょっと変だってことは数年前から気付いてたんだけど、ここ数年間、下半身全体が妙に疲れやすく、股関節そのものに痛みを感じることが増えた。スペイン滞在中も長時間歩いた後は痛くなることがよくあった。最近はかなりそれが頻繁になり、さすがにヤバイかも・・・とゴールデンウイークに病院できちんと検査したら、なんと「先天性臼蓋(きゅうがい)形成不全による変形性股関節症」なんていかにもヤバそうな病気を告げられた。
臼蓋は股関節をつくっている骨盤の屋根で、変形性股関節症とは文字通り股関節の骨が変形して歩行障害になる進行性の病気。臼蓋の覆いが足りないために負荷が集中して、関節軟骨が段々とすり減って痛む。放っておくと骨が破壊されて歩けなくなってしまう。三十路も近いというのに今さら先天性の、それもこんなに大変な病気が発覚するなんて、まさか夢にも思わなかった。
ドクターいわく、私の股関節は「今後確実に悪化するカタチ」でできるだけ早く手術した方がいいらしい。症状が軽くて若い方が回復も早く、自分の股関節で一生持たせられる確率が高いから。この手術、これがまた名前からしてスゴイ。「臼蓋回転骨切り術」。要するに足りない臼蓋の屋根を作るんだけど、臼蓋と大腿骨を軟骨ごと切り取って、外側に回してボルトで止める!!大工仕事?!術後20日間は寝たきりで、その後車椅子、松葉杖、片手杖となり退院は約2ヶ月後。杖なしで歩けるまでは半年はかかる。一番困るのは、片足ずつしか手術できないこと。両足とも悪い私は2回手術しなくちゃならない。片方で半年、回復したら反対足で半年。だから1年以上仕事もできず、入退院とリハビリの繰り返しになる。
最初知った時はやはりショックで、よろけながら病院を後にした。今後の人生設計のやり直しを思い、何日も涙が止まらなかった。手術そのものへの恐怖。大きな傷跡もできる。それも両足。今、働きながら通っている学校も、規定の実習ができずに休学。治ったら治ったで、お金も仕事もない状態からの再スタート。ちゃんと歩けるようになるんだろうか。仕事できるんだろうか。運動や旅行はいつできるんだろうか・・・。逃れられない恐怖と不安で、胸が締め付けられる。鈍い痛みは日に日に増し、歩ける距離は日に日に減っていく。そして時折、突き刺すような強い痛みが股関節を襲う。
この不安と痛みを抱えておそるおそる生きていくのは嫌だった。だから手術を決めた。前向きに生きていくために。幸い、いい病院も見つかり、信頼できるドクターにも出会えた。同じ病気と闘っている多くの人のネットワークにも救われた。みな、手術とつらいリハビリを乗り越えて、前向きに生きている。スポーツも、海外旅行も、立ち仕事も、出産だってしてる。大丈夫。私だって乗り越えられる。きちんと治して再スタートしよう。この文を読んでくれる人の中にも、同じ病気と闘っている人がいるかもしれない。みなさん頑張って下さい。私も頑張るから。
手術前にスペイン行きたいけど、入院費のこともあるし、完治するまではちょっと無理そう。手術してリハビリ頑張って、早く行かなくちゃ。待っててね愛しのエスパーニャ!
それにしても、スペイン語で「股関節」ってどういうんだろう?スペインの友人たちにも説明したいんだけど、どうも「股関節」ってぴったりの単語がなくて、回りくどい表現しかできないのでとっても苦労している。(誰か知ってたら教えて〜!)でも新しいスペイン語の語彙はずいぶん増えた。骨盤、大腿骨、軟骨、骨切り術、臼蓋、先天性、脱臼、松葉杖、車椅子・・・うーん、普段使わなそうなものばっかりだねぇ。
|