ちょっと前のわたしたち

【No.5】 10月2日(Maki) * 【No.6】 10月9日(Kaoru)
【No.7】10月16日(Norie) * 【No.8】10月23日(むく) * 【No.9】10月30日(ナオミ)

No.9
10月30日 ナオミ (日本)

 今年も東京国際映画祭が始まった。と言っても、地方に住む わたしには何も関係がないのだけれど。(笑)
 しかし、この映画祭、若手映画監督の支援を趣旨としている だけあって、日本ではあまり知られていない監督の作品が 紹介される良い機会なので毎年注目している。

 今年はスペイン映画では『ノーバディ・ノウズ・エニバディ』 (仮題)がコンペティション部門に出品されている。過去の 東京国際映画祭を振り返ると、一昨年、『オープン・ユア・ アイズ』が東京グランプリという映画祭最高の賞を受賞して、 日本でも公開されたのが記憶に新しい。昨年、最優秀女優賞 と最優秀男優賞を受賞した『アローン』は未だに日本では公開 されていない。それ以前の受賞作品に関しても、受賞と日本で の公開が必ずしも結びつかないのが残念だと思う。

 上記の映画のタイトルを見てもわかるとおり、英語をそのまま カタカナに換えたタイトルが近年、やたらと目につく。 その中で今年の東京ファンタスティック映画祭で上映される スペイン映画は『どついてるねん』。誰もこのタイトルを見て スペイン映画だとは思うまい。仮題とはいえ、この思い切った タイトルをつけた人に密かに拍手!(笑)

 『オール・アバウト・マイ・マザー』のアカデミー賞外国語 映画賞受賞で、一躍脚光を浴びるか!?と思われたスペイン映画 だけれども、まだまだ認知度は低い。今回の映画祭ではどの ように評価されるのか、スペイン映画ファンとしてはちょっと 楽しみなところ。

 

No.8
10月23日 むく (マドリード)

 最近MLが活発になってきた。といっても@SpainのMLの事ではない。 テンゴ会のMLの事である。テンゴ会とは京都産業大学スペイン語 会話クラブのOB会の事である。

 約20人近くがクラブの同期にいた。スペイン語科の人間はわずか 3人しかいなかったが、他学部の人間がその他大勢を占めていた。 結局4回生まで残ったのは6人だったが。その他の学年も数人ずつは クラブ員がおり、総数20名を下回ることはなかった。ところが最近は 入部する人間の方が珍しく、とうとう後継者難で昨年クラブの解散式を 行なったらしい。

 毎年何回かクラブの行事に顔を出していたのだが、海外駐在になって からは全く音信不通になってしまっていた。今年の春に先輩から突然 メールを受け取り、クラブの解散とインターネット掲示板の設置を教えて 貰い、その後MLが発足し、現在に至っている。

 11月5日には神山祭(文化祭)があり、学科の後輩のW君が率いる グルーポ・アルカディアのフォルクローレコンサートが開かれるらしい。 グルーポ・アルカディアはエルネスト・カブールにも認められた内外で 評価の高いグループである。主催は恩師のI先生のゼミだとの事。 クラブの同窓生だけでなく、学科の同窓生も多数集まるらしい。ちょうど その時期に他の用もあるので、夏休みを取らなかった代わりに2Wの 休みを取って日本に帰る事にした。

 皮肉なものだがクラブがなくなったことで20年もの間連絡を取り合って いなかったOB会のメンバーとメールをやり取りするようになった。京都 では妹分だった後輩が何人かに声をかけているらしい。東京在住者との 飲み会も計画してくれている。小・中学校の同窓会も20年振り、高校の 同窓会も 20年ぶりだったな。今度は20年振りの大学のクラブの同窓会だ。 (笑)

 

No.7
10月16日 Norie (バリャドリード)

 村に引っ越して1年が過ぎる。村といっても、学校や病院はもちろん、 図書館もプールも体育館もあるし、バリャドリードの中心地まで車で 15分くらいでいけるのだから、日本でいうところの「村」とはちょっと イメージが違うかもしれない。人口は約6000人。

 それでもやはり、不便なことも多い。毎朝、羊が出勤するよ、とか、 お向かいの家には馬がいるよ、とか、採れたての葡萄やトマト、 ズッキーニなんかをよく貰うよ、とか話すと、スペインの田舎で のんびり生活するなんて夢のよう!と言われることがあるのだが、 毎日、薪ストーブをつけるのは重労働だし、速達以外は手紙の配達も 週に2回くらいしかない。宅配ピザも宅配中華もない上に、バール自体 につまみが少ないから、ちょっとした外食ができない。

 買い物にしても、回転が悪いせいか、古い野菜がそのまま残っていたり するので、気をつけないといけない。「あ、ナシだ。」と思ったら、色 の変わったリンゴだった、なんてこともあった。近所の魚屋は、「明日は 金曜日、新鮮な魚入荷!」と張り紙するのだけど、他の日は古い魚を置いて あるのをバラしているような感じがして笑ってしまう。

 以前、南米在住の友人が「停電で、夕飯をロウソクの灯りで食べた、 と言ったら、日本の友だちにロマンチック〜と羨ましがられたけど、 こっちはお宝日本食がダメになるし、さんざん。」と言っていて、 そうそう!と深く頷いたことがあったのだが、コンビニのある生活が 普通に育ったわたしたちは、ときどき便利な生活がなつかしい。

 

No.6
10月9日 Kaoru (マドリード)

 夏の終わりは年末の始まり。
 10月に入ると、とたんに夏が終わったことを実感する。
大胆にバケーションをとる(日本と比べて、ね)この国では、9月に夏のバケーショ ンを取る人も多い。それを恒例としている友人がこれまた恒例の一ヶ月の旅から帰っ てくると、ほんと、秋を実感する季節なのだ。
 単に秋の冷たい風が吹き始めるからだけではない。10月にはいると、というかひとつ のお休みのイベントが終わると、すでにもうクリスマスのお休みの計画が始まるの だ。
 でも本当に、夏の前には「ああ、今年も半分終わったなぁ」なんてのんきなことを 言っていたのが、なんと「今年もあと、3ヶ月!」状態になっている。
 そうなのよね。今ごろから計画しておかないと、どこもいっぱいになってしまうし、 カレンダーを見ると、ほんと残りが少なくなっていることに唖然。
 一日一日と年末に向かう日々が、「光陰矢の如し」と過ぎていくのは、東西の文化を 隔てて同じのようだ。

 ところで、そんな友人を横目でみながら、9年もスペインに住んでいて、バケーショ ンらしいバケーションを一度も取れた試しのない私。私が夏にバケーションを取って いないことを知っている顧客は「そろそろ冬の計画してるでしょ?」 向かいに住ん でいる5歳の子供にまで、「バケーションにはいつ行くの?」いまのところ、「うー ん、取れたらね。」と答えて相手にあきれられる始末。これだから、「あなたも日本 人みたいに働いてないで...」って言われるのよね。

 

No.5
10月2日 Maki (ピエドライータ)

 ピエドライータに引っ越してはや1ヶ月、都会とのギャップ、 村人の視線や孤独感との戦いだった最初の1週間と比べると、 学校も始まり少しづつ知り合いもでき、「よそもの」であった 自分が「住人」として受け入れられつつあるのを感じる。 小さな村なので暇な午後や週末の夜を過ごすバールの選択肢は 少ないのだが、客の年代層・店の雰囲気などによって、みな お気に入りの店がある。村はずれにある1つのバールが私の 最近の定番で、まだ数少ない知り合いの顔を見つけによく出向く。

 ところで、殆どのスペイン人にはSantoと呼ばれる聖人の日がある。 成人ではなく聖人である。自分と同じ名前の聖人の 記念日のことで、プレゼントを貰えることも多い。 誕生日、聖人の日、クリスマス、レイエス・マゴスと 何かとプレゼントを貰える機会が多いことは羨ましい限りだ。 特に11月1日はTodos los Santos(諸聖人の日)といって、 カレンダーに入りきらない全ての聖人達を記念する日。 日本の無縁仏のお墓をつい想像してしまう。 この諸聖人の日に飾る特別の花があるんだよ、と 最近仲良くなった花屋のお兄ちゃんが教えてくれた。 この兄ちゃんといつものバールで飲んでいた時、 壁に彼の店の張り紙があった(村に花屋は一軒しかないのだ)。 「あなたの聖人の日にお店に来たらお花をプレゼントします」だって。 「私は日本人だからSantoはないんだよねー」とつぶやくと 「いつでもあげるよ」とニヤリとする兄ちゃん。 うーん、やっぱり軟派天国スペインの男性だなぁ。 じゃあ、お返しに、折り紙でのお花の折り方教えてあげよう。

 

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