「プレステージ号の重油流出事故のニュース」 (2002年11月15日)
(新聞による発表) |
汚染流出物はまだ海岸まで到達していないが、遠洋にいる海鳥は重油に汚染されていて、海岸に近づくとその姿がはっきりとわかる。 重油に汚染された鳥の群れ(キアシセグロカモメ(Gaviota Patiamarilla = Larus cachinnans)、ニシセグロカモメ(Gaviota Sombri'a = Larus fuscus)とカワウ(Cormora'n Grande = Phalacrocorax carbo))の位置の確認が始められている。体の20%から60%が重油に汚染されているこの鳥たちはまだ捕獲がされずにいる状態である。 SEO/BirdLife(スペイン鳥類学協会)は地元にある他の協会(Ha'bitat(ハビタット(訳者注:人間居住開発に関する活動に取り組む機関), SGHN(ガリシア自然歴史協会), Erva(訳者注:ガリシアの自然保護団体)と協力して警戒にあたるための部隊を現地に置いている。現在のところ、約50名が分担して、事故の影響をこうむっている地域の海岸や河口、沿岸の潟湖の監視にあたっている。 SEO/BirdLife(スペイン鳥類学協会)はガリシア自治州環境省と連絡を取る一方で、スペイン国内のNGO(非政府機関)であるWWF/Adena(世界野生生物基金/自然保護協会)や国際的なNGOであるIFAW(国際動物愛護基金), SEA-Alarm Foundation(訳者注:実態不明), Medmaravis(地中海海鳥協会)、そして国際鳥類学協会とも連携をはかり、重油に汚染された鳥類の増加が顕著に観察されるようになった場合には、鳥類の救出キャンペーンを実施する構えである。 さらに、世界的な規模の協会の中には、救出キャンペーンにあたって助言ができるような専門家をすみやかに派遣する用意があるという申し出を行っているところもある。 他のタンカーが今回の事故に便乗して自船のタンク内の汚染物を海中に出してしまうことがあれば事態はより悪化することになるだろう。そういうことがフィニステレ沿岸で起こりつつあるようだ。 このような汚染物廃棄は公海では違法であるが、多くの船がこの廃棄を行うために、巨大な燃料の油膜の中でそれが覆い隠されているうちに今回の汚染流出物の存在を利用している。 このため、SEO/BirdLife(スペイン鳥類学協会)は、海上交通巡視当局がここ数日間付近を航海するタンカーの動きを監視し、今回の重油流出と同様に海の鳥類に重大な影響を及ぼすこのような違法投棄が行われることのないようにする必要があるとの見解を示している。 連絡先: |
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